杖や歩行器を嫌がる人への対策-転倒予防のために-

介護

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歩行の安定性が悪くなってよく転倒してしまう。
にもかかわらず、杖や歩行器、シルバーカーを嫌がる人って結構いますよね。

それでも家族側、リハビリ側の感覚としては転倒しないために杖や歩行器を使って欲しい。
こういったケースの対策に悩む方に、可能な限りの対策をお伝えします。

 

なぜ杖や歩行器を嫌がるの?対策は?

杖や歩行器を嫌がる方には、見た目を気にされる方が多い。
シンプルに「かっこ悪い」ということですね。

それに加えて「自分はまだ杖を使うほど落ちぶれていない」ってゆう感覚がある方もいます。
「元気なのに杖なんか使いたくない。転倒なんてしない!」と思っているケースですね。

杖や歩行器を嫌がる方には、まずどっちのパターンで杖を使ってくれないかを把握することが大切です。

簡単な見分け方は家の中の生活で杖や歩行器を使ってくれるかどうか。
家の中で杖や歩行器を使ってくれるなら、見た目を気にしているパターンです。
家の中でも拒否される場合、自分の能力を過信しているパターンですね。

杖や歩行器の見た目を気にしているパターンの対策

杖の代わりに松葉杖を使う

松葉杖の方が普通の杖と比べて安定性が高く、重症な人向けにはなります。
にもかかわらず、これだと抵抗の少ない人は意外といます。
若い人でも使うものなので、高齢者ぽく見えないわけですね(むしろ若く見える!?)

ただし使い方を間違っている人が今でも結構多い。松葉杖は脇に「乗せる」ではなくて、「脇で挟む」が正解。しっかり挟んで使う必要があるので、その点だけ注意が必要です。

歩行器にもいろんなものがあるのを知る

歩行器には、いわゆる押し車みたいなものから、やや近代的なものまで色々あります。まずはこれだけいろんなパターンがあるのを知っておくこと。
いろんな種類の歩行器

いろんなものがあるので、歩行器のイメージが変わる可能性があります。

ただこれらでも厳しい場合も多々あり、その時に今までおすすめ出来ていたのがこのキャリーケース型のもの。
歩行器の代わりにキャリーケースを使う

このタイプは割と抵抗なく使ってくれる方がいました。
(これで支えになるか疑問かもしれませんが、人は何かに触りながら歩くことでバランスがグッとよくなります。目をつぶった時に、指一本どこかに触れると安定しますよね?あの感覚です。)

自分の身体が悪くなっているのを信じたくないパターン

このパターンは結構大変です。
心理的なケアが必要になるので…
「杖があなたに必要です」という言い方なら反発を招くことが多い。
「試してみましょう」は試すだけやって貰えることもありますが、反応としてはそんなに良くない…

かといって杖や歩行器が必要ないとは決して言えないので、

杖を促したい方が家族想いの方ならば、
「必要ないと思いますが、家族さんが心配するので、そのためだけに使ってみてください」
と、その人自身のためではないことを伝えてみるのは1つの手段としてありです。

次に、短期間限定、夜間限定などで使ってもらうように促す。
「今は退院したてだから1〜2週間だけ杖を使って欲しい」
「昼はいいけど、夜はどんな人でもフラフラしてしまうので、万が一のために杖を使って欲しい」
などですね。

そして、登山用の杖を見せてみるのもありかも…
医療坊主が前に診ていた人ですが、杖を拒否していたものの、山登りが趣味の方だったのでそれを勧めて診ました。そしたらそれを普段から使ってくれるようになったんですね。そこまでデザインは変わらないですが、「老人用」のものより「一般の人が使っているもの」の方が抵抗は少ないです。

 

杖を使うことで余計に歩けない人がいることを知る

ここは結構大事なポイントです。
みなさん、杖を使えば歩くことが必ず安定すると思っていませんか?

残念ながら、そうではありません。
人によっては、杖を持つことで余計に歩きにくくなる人がいます
そんな人に杖をすすめても、それはやっぱり使ってくれませんよね。

具体的には

  • 脳の中の、「小脳」という部分に出血や梗塞がみられる人(手や足のコントロールが悪くなる病気です。思ったところに手が出せないので、杖が変な位置についてしまう可能性があります)
  • 何らかの病気で手が震える人
  • 杖と手と足の順番がわからなくなって混乱してしまう人

などの方が杖を使うことで歩くことが難しくなります。
最後の「混乱する人」の場合は練習によって歩行が安定する可能性はありますが、その他は基本的にNG。
ぜひ覚えておいてください。

 

今回、いくつかの解決策を出しましたが…もっと他にも「これすればよかったよ」というのがあればぜひ教えてください。記事に追加していきたいと思います。

と、いうことで今回の記事は「 杖や歩行器を嫌がる人への対策-転倒予防のために-」でした!
今回の記事を見ていただいた方には「理学療法士が選ぶ、介護予防にオススメの運動TOP5」もおすすめです。