外国人介護士のメリットとデメリット。これからの日本の介護はどうなる!?

アジア諸国の国旗 介護

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今、少子高齢化社会で労働人口が減っていると言われます。その解決策の一つとして挙げられる、外国人労働者を介護士(ヘルパー)として雇用しようという動き。今回はそんな外国人介護士の雇用の問題について考えていきたいと思います。

 

外国人介護士はちゃんと働いてくれる?

まずみなさんが不安に思うところはここですよね。介護の質が保たれるのかどうか。

まず、BOZUが現場で出会ってきた外国人ヘルパーの方はすごく熱心に仕事をしていました。主観で申し訳ないですが、それこそ日本人ヘルパーよりちゃんとしている印象があります。

加えて、施設職員や利用者からの評価は高い傾向にあるようです。
大家族で育ち、高齢者の世話に慣れていたり、人柄として「優しい」「真面目」「明るい」といったところが挙げられます。潜在能力も高い方が多いですね。(医療介護福祉政策研究フォーラム資料 – 外国人介護士の現状 – より)

また、現在はこの「外国人介護士の教育」という面でサービスを作っている会社がたくさん出てきています。質の確保に関しては不安に思う人が多いからこそ、多方面からサポートされていくのでそこまで心配しなくても良いと思います。

 

どこの国の人が多い?

外国人介護士の国籍

図:医療介護福祉政策研究フォーラム資料 – 外国人介護士の現状 – より

4割がフィリピンの方ですね。BOZUが出会ったことがある外国人ヘルパーさんはフィリピンの方、韓国の方、インドネシアの方でした。

 

介護士はどれくらい足りないの?

厚生労働省の出している「第7期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数について」によると、介護職員の需要は2020年度で216万人、2025年度で244万人に増えるといいます。2016年度の実績は189万8760人で、今と2025年度との差を考えると約55万人足りていないということになります。

55万人…これ、東京で言えば杉並区の人口とほぼ一緒です。関西で言えば姫路市の人口は53万人。ちなみに沖縄那覇市の人口は32万人。だいたいイメージつきましたか!?

一応介護士の人数は増加傾向にあるのですが、近年の入職・離職の動向が大きく変わらず続いていった場合、2025年度の時点でが211万人しか確保することができないとのこと。このギャップは33万人となるわけです。

そして…
当然今現在についても気になりますよね。今現在介護士が足りているかと言えば、やっぱり足りていないようです。特養限定ではありますが、介護士の現況について独立行政法人福祉医療機構というところがインターネットでのアンケート調査を実施しています。

特養の介護士の不足に関する調査
独立行政法人福祉医療機構:平成29年度「介護人材」に関するアンケート調査の結果について

介護士が足りないと答えた特養は64.3%。加えて、なんらかの形で利用者の受け入れ制限をしているのが12.4%とのことです。

外国人介護士のメリットは?

労働力の確保

もう言うまでもなくここですよね。そのために政府も頑張っているわけです。今の日本の人口ピラミッドは

人口ピラミッド
厚生労働省:我が国の人口動態

こんな感じですよね。高齢者の多さに対し、若者層が少ないわけです。そしてこの傾向は時が経つほどに顕著になっていく…だから介護に関わらず、どこの業界も人手不足。

その労働力の確保として国は

  • 女性の活躍
  • 外国人労働者の確保
  • 高齢者層の労働

あたりを推進しながら国力の維持に努めようとしているわけです。

グローバル化

メリットの二つ目はグローバル化。日本に外国人がたくさん来るという状況は、他国の文化に触れる機会が増えるということ。英語を学ぶ必要が出てくるかもしれませんし、違った文化を受け入れる必要が生まれます。

今の世界は、自国完結ではなくなっていますよね!?そういった面でグローバル化につながるものは行なっていくメリットがあります。(本来的な意味のグローバル化というより、その一歩手前のイメージです)

外国人介護士のデメリットは?

会議の参加や記録面(言葉のカベ)

介助の仕事においてはほぼしっかりこなしている感じですが、会議や記録などの面ではやはり日本語力の面で難しさがあります。

あと当然のところにはなりますが、言語力によってコミュニケーションのレベルは変わります。やはり言葉が違うと親密なコミュニケーションというのは取りにくいですね。それと、英語は直球で伝わるものですが、日本語は曖昧さを残して「相手の考えていることを察する」ことを期待している面があります。

ただ一つ気になるのは、日本人側の歩み寄りが少ないこと。他の業界なら英語を勉強してコミュニケーションの向上を図ることって多いですが、その姿勢は今のところあまり見えない。

利用者さんとのコミュニケーションを取れるレベルなら、あとは外国人でも働きやすいよう、職場環境の改善を図ることも必要だと思います。

文化の融合が難しい

ドイツやフランスなどの例ですが、移民の受け入れを行なったものの、自国民との文化の違いに苦労しているという話を聞きます。「受け入れは失敗だ!」という意見も結構出ているようです。(首相は人道支援として行なっているので、この流れを変えるつもりはあまりないようです)

どうなんでしょうか…コンビニの店員さんや居酒屋などで外国人の方をみる機会は増えましたが、基本的には良い対応をしてくれている気がします…

ドイツ連邦統計局の発表によると、ドイツ内における移民(*1世・2世を含む)の総数が、過去最高となる1860万人に達していることが判明したとのこと。少し古いですが、2015〜2016年の一年間で80万人の移民を受け入れたみたいです。フランスでも現在800万人近い移民がいるとのこと。

とりあえず…ここと比較するのは規模感が違いますね。日本の人口は1.2億人ぐらい。介護に関わる労働者は50万人足りていない状況です。(他の足りていない職種と合計するとそれなりの人数になるかもしれません)

加えて、海外諸国の移民は「働く」ためにというよりも「難民受け入れ」も結構な割合であります。ここがどれだけ差を生むかはわかりませんが、頭の片隅に入れておいても良い気はします。

より将来の社会保障

日本にきた労働者が、そのまま日本で生活するとなると当然その方々への社会保障も行なっていく必要があります。

日本で長く生活すれば、結婚もするし、子供も産まれ、病気になるし歳もとっていく。受け入れた外国人労働者が高齢化する段階では、これまた社会的コストがかかっていくというお話です。

ここに関してはトータルバランスでみてみたい。働いて税金を納める金額と、社会保障にかかる金額。
この部分に明らかな不公平が出るようなら、税金の調整や受け入れ人数の調整などでリスクヘッジすることは可能な気もします。(今、外国人の社会保障で問題になっているのは、ちょっとだけ日本に住んで医療保険を使える状態に持っていき、そこから日本で手術などを行なってから自国に帰国するパターン。無駄にお金が流れていきます)

また、日本で介護を学び、そこから世界へ出ていきたいという外国人介護士がいるから良くないとの話もあります。
…が、別にいいですよね。「せっかく技術を教えたのに辞められると困る」みたいな目線で批判する方もいますが、それは企業努力の話。働き続けたいと思う職場にすることが必要だと思いますし、そういった人を応援する気持ちを持って欲しいと個人的には思います。もちろんこのスタイルなら将来の社会保障費もかからないわけですし。

 

そのほか介護業界のトピックスを少し

  • 外国人うんぬんよりもまずは待遇改善が先という意見が強い
  • 介護士の給与をあげるための予算を組んだにもかかわらず、看護協会がその予算を使って看護師の給料を上げようと要望している
  • 介護士の人手が足りているところも当然ある。人手が足りない所との違いは経営者のスキル、採用にかける熱意など
  • これからは外国人労働者の雇用も難しくなる可能性がある(他国でも高齢化が進み、外国人介護士の選択肢が増えている)

気になる内容があれば調べてみてください。

今、国の政策としては外国人労働者の確保を推進しています。同時に、有識者の方で「それでは解決しない」と言っている方々もいます。何が正しくて、何が正しくないのかはすごく難しいところ。

一般レベルで外国人労働者の雇用に拒否感を抱く人は、海外にたくさん出ている人な気がします。他国を見て、「日本の良さを残して欲しい」と…ただ少し思うのが、その方々は海外旅行が大好きということ。日本の良さが壊れる可能性を感じているようですが、それが悪い国に繋がるわけではないし、別の良さが生まれる可能性だってあると思うんです。

問題の先送りだという批判もありますが、外国人介護士の雇用は「介護の人材不足」に対する問題解決方法の一つです。ここの問題に関しては先送りではありませんよね。他の問題が生じる可能性と今の介護人材不足のバランスを考えた政策が必要と考えられます。

とりあえず、何かアクションを起こすということは何かが変わるということ。そして、この介護の分野では外国人介護士にとらわれず、何かのアクションを起こす必要があるだろうなと思っています。

ということで、個人的には外国人労働者の確保をどんどん行なって欲しいと思っています。

 

 


と、いうことで今回の記事は
「外国人介護士のメリットとデメリット。これからの日本の介護はどうなる!? 」でした!
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