圧迫骨折、動いていいの?リハビリはどうする?

腰痛 医療

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高齢になるとよく起こす骨折に、腰の圧迫骨折があります。尻もちをついた時などに、その衝撃が腰に届いて骨折してしまうわけです。
その圧迫骨折になると、一気に日々の活動量が落ちるので、身体は弱っていってしまいます。今回はそんな圧迫骨折について書きました。

 

圧迫骨折とは

正確に言うと脊椎圧迫骨折ですね。この圧迫骨折とは、「もろくなってしまった背中の骨が、重さに耐えきれず押し潰されてしまう状態」のこと。押しつぶされた骨は変形してしまい、痛みを筆頭にいろんな問題を起こします。このレントゲン画像の真ん中が、潰れた背骨です。

腰椎圧迫骨折

星野雅洋.骨粗鬆症性椎体骨折 – 単純X線写真による診断のコツと私が考える早期手術適応 – 苑田会東京脊椎脊髄病センター .Loco CURE 4(1): 66-67, 2018.

 

どんな人に起こりやすい?

脊椎圧迫骨折は高齢の女性に多く、骨粗しょう症が主な原因といわれています。

そのため、最近は「骨粗しょう症性椎体骨折」と呼ばれることもあります。

当然、骨粗しょう症になりやすい女性が必然的に脊椎圧迫骨折にもなりやすいわけですね。また、骨粗しょう症は年齢が上がっていくに連れて増えていく傾向にあるので、高齢の女性であればあるほど脊椎圧迫骨折になりやすいんです。実際60歳代では8〜13%、70歳代では30〜40%ほどの患者さんがいるとも言われています。

 

骨折の治癒は?

まずはちょこっと論文を…

受傷後1か月間は受傷部位の骨梁が粉砕し,骨量が減少する.受傷後1か月頃から後方部に骨硬化像がみられ,電量が後方部から増加する.骨癒合は椎体後方部から生じ,次いで側方から前方部に,最後に中央部が修復される.したがって,受傷後1か月間は骨折部が不安定であり注意を要する。

また、骨折後2ヶ月経過以降において、脊椎の圧縮率の変化は少なかった。

圧迫骨折の経過

浦山茂樹.骨粗鬆症性椎体骨折後壁損傷に対する保存治療.骨折 29(4): 735-739, 2007.

とあります。

要するに、「骨折後1ヶ月はかなり危険で、2ヶ月を過ぎると背骨がさらに潰れるリスクは減っていく」ということ。ちなみにこの調査では、歩行は0~48日で開始とあったので結構ばらつきがありました。また、全症例でコルセットなどで体幹を固定しています。

ちなみに、骨折の程度がひどい&骨粗しょう症がひどい人はもっと長い間固定が必要なケースもあります。

 

骨折の治癒を待ちすぎる弊害

高齢者では、長い時間寝たきりの生活を送ることで

  • 体力の低下
  • 関節の硬さ
  • 筋力の低下

などが起こります。そして高齢の方でこれらが起こってくると、さらにベッドから起きるのが辛くなると言った悪循環に陥ることがあります。

圧迫骨折の主な治療方法はベッド上での安静なので、そこから生じる全身状態の悪化も考えておく必要があるんです。

安静臥床をする期間

ここはかなり意見が割れています。先ほど挙げた論文では0~48日で歩行を開始していましたが、医師によってはもっと長い間歩行禁止を言われる方もいます。

つまり、残念ながらケースバイケース。ただ早めに動くケースでは

  • 骨粗しょう症があまり酷くなければ比較的早めに歩く許可が出ても良い。その場合は2週間が基準になりそう(酒井隼:脊椎圧迫骨折後の安静臥床期間の検討.臨床と理学療法 3(1): 2-7, 2016.)

というのも頭に入れておいて良いかもしれません。(もっとも、最近はもう少し早く動くようにプログラムを組んでいる病院も増えてきました)

 

圧迫骨折のリハビリは?

まず、圧迫骨折になりたての時は出来るだけ身体を起こさないことが大事になります。圧迫骨折を起こした部位に負担をかけることで、さらに背骨が潰れていってしまうわけです。

なのでベッド上の生活が基本。そのため、身体を硬くしないように全身のストレッチを行い、筋力が弱くならないように可能な筋トレを行なっていきます。もちろん疼痛に対するアプローチも必要で、マッサージなども行います。

次に身体を起こせるように許可が出れば、まず第1が動作指導です。重要なのは

  • 身体を前に倒さないこと
  • 座る時にはゆっくり座ること

です。

身体を前に倒すと、骨折部位に負担がかかって余計に骨が潰れていく可能性があります。次に、勢いよく座ることで骨に負担がかかるのでそれを避けるようにします。ベッドの柵を持つようにしたり、足の力を鍛えながら対応します。

動けるようになってくれば、歩行練習や全身運動を行いながら鈍った身体を元に戻していきます。あとは重要な項目として、

  • 股関節伸展のストレッチ
  • 体幹の筋トレ

は必要ですね。
 

コルセットはいつまでつける?

ここは骨のくっつき具合によって結構変わってきます。医師がその骨癒合の様子を見ながら指示してくれるのですが…さらっと論文を探してみても、あまり良いのが出てきませんでした。(しっかり探せば出てくるかも!?)

ちゃんと探せ〜って話ですが、論文が出てきてもおそらく統一した見解はなさそうだなとか勝手に想像したり…です。

というのも、

  • 骨のくっつき具合
  • 骨粗しょう症の程度
  • 体幹の筋力
  • 日頃の姿勢
  • 脚の筋力

などなどで、その人に合わせて選ぶのが最適だと思うから。加えて医師も、外して良い状況だけどまぁコルセットをつけている方が安心は安心なので、出来るだけ早く外そうと考えている方は少ないんじゃないかなと思います。

半年ぐらいつけている例もよく見かけますが、なかなかコルセット外すように指示がない場合、患者さん側から先生に確認すると、「外して良いですよ」とあっさり言われることも実は割と多い現状です。

コルセットで筋力が落ちるって聞きました

たしかにそういった意見があるのは事実ですが、コルセットをつけても筋力は落ちないという意見もあります。正直わからないところですが…

個人的には動く機会が減ることによる筋力低下がメインで、コルセットのあるなしでの差は誤差の範囲と思っていい気がします。

寝てる時にコルセットはつけるべき?

これは基本的には外して良い場合が多いです。ベッドの上にいれば、圧迫骨折をした部位に負担をかける可能性は限りなく低いです。

ただつけっぱなしの方が良いケースもあります。コルセットをつけるために手間がかかり過ぎたり痛みが出るケースで、それにより動く意欲が下がる場合。そんな方は寝た状態でもコルセットをつけたままにした方が良いかもしれませんね。

 

 


 

と、いうことで今回の記事は
「 圧迫骨折、動いていいの?リハビリはどうする?」でした!
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