フレイルとメタボ、どっちが有害?-健康寿命の関係-

高齢者の足のリハビリ 介護

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少し前に、メタボよりフレイルが日本人高齢者の健康寿命に悪影響を与えるとネットニュースで流れていました。今回はこのニュースについて、掘り下げて考えていこうと思います。

 

フレイルとは?

まずはそもそもフレイルとは何かについてです。フレイルとは、海外の老年医学の分野で使用されている「Frailty(フレイルティ)」に対する日本語訳で「虚弱」や「老衰」・「脆弱」という意味です。

  1. 体重減少
  2. 歩行速度低下
  3. 握力低下
  4. 疲れやすい
  5. 身体活動レベル低下

これら5項目のうち3つ以上当てはまればフレイルとみなされます。
イメージとして「身体が弱ってきている状態」ですね。

握力が入っているのが意外に思う人もいるんじゃないでしょうか?実は握力、全身の筋力と密接な関係があると言われています。つまり、握力が強い人は全身の筋力も強い傾向があるんですね。
体重が少なければ栄養状態が悪いことが想像出来ますし、歩く速度が遅いのも活力がないイメージですね。疲れやすければ当然活動量が落ちますし、身体活動レベル低下は階段の上り下りや少し負荷の強い動作が出来ない、もしくはしんどくなる感じです。

こういった状態がフレイルと言えるので、もし当てはまるなと思う方は改善が必要です。

 

健康寿命に与える影響はフレイルとメタボでどっちが強い?

まずはこれを示した論文の紹介です。

本研究では、群馬県の一地域の高齢者約 1,500 人の平均 7 年(最大 12 年)の追跡研究により、フレイル、メタボリックシンドローム等の諸因子による、自立喪失(要介護発生または死亡)のリスク上昇の程度を明らかにしました。その結果、男女ともにフレイル群、プレフレイル群(フレイルの予備群)はフレイル無し群に比し、自立喪失発生率は有意に高率で、フレイル区分別にみた自立曲線はきれいに分かれました。

一方、メタボリックシンドローム区分と自立喪失発生率との間には一定の関連は認められず、自立曲線にも明らかな差は見られませんでした。

引用元:http://www.tmghig.jp/research/release/cms_upload/press20171114.pdf

 

フレイルが健康寿命に大きな影響を与えるということですね。
同時に、メタボが健康寿命には影響を与えないことが示されました。

 

メタボって健康に悪いんじゃなかったっけ?

そう、メタボは健康に悪いハズだけど、上の研究だけを見るとなんだかメタボでも別にいいじゃん…的な気持ちになりました。これでいいのか…いいわけありません。

メディアで紹介されていたのは、さっき上に上げた引用のところです。他にもどこで読んだかはっきり覚えてないのですが、太っている方が寿命(通常の寿命)が長いという話もあります。それでBOZUも勘違いをしかけてしまいました。メタボって言われてるほど害がないのかも…と。

ですが、引用元の論文を確認すると最後にこう書いてあります。

メタボリックシンドロームに関しては、循環器疾患発生の危険因子としての意義は確立されています。
したがって、メタボリックシンドロームの予防は、要介護発生の大きな原因である脳卒中の予防に結びつくこ
とから、高齢期に到達する前から積極的に行われることが望ましいと考えられます。

引用元:http://www.tmghig.jp/research/release/cms_upload/press20171114.pdf

めっちゃ大事な情報置いてけぼり!!!!

ここ、大事ですよね。なんか「フレイル」をテーマにした人が記事にして、それがそのまま転載されていった印象を感じました。メタボ改善も大事ですよ!!!!

 

メタボとは?

メタボ
メタボについてちゃんと書いておきましょう。正確にはメタボリックシンドロームですね。
この「メタボリックシンドローム」は、「内臓脂肪症候群」とも呼ばれます。

太っている人をよくメタボと言いますが、ただ太っているのではなくて、実は複数の病気や異常が重なっている状態を表します。どういう状態かというと、腸のまわり、または腹腔内にたまる「内臓脂肪の蓄積」によって、高血圧や糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などの生活習慣病の重なりが起こっていることを示しているんです。

そしてこの状態は、動脈硬化を急速に進行させてしまいます。動脈効果は脳梗塞や心筋梗塞に繋がる状態です。つまり、メタボリックシンドロームは動脈硬化の進行の恐れがある状態で、病気の予防という観点から「すでに手を打たなければならない状態」として捉える必要があります。これがメタボリックシンドロームの考え方になります。

今回の研究に関して、「高齢者」のデータでしたね?
もし仮に中高年を対象に、病気になるかどうかのデータをとってみたらどうなるでしょうか?フレイルの人はあまりいないと思いますが、メタボの人では健康の人よりも病気になってそうですよね。

 

健康寿命についての考え方

この健康寿命の話をするときに語られる、平均寿命と健康寿命。
健康寿命が過ぎてしまったとして、人生はつまらないものなのでしょうか?

健康寿命の定義は、「健康上の問題がない」寿命のことですよね?
この定義なら、もし仮に脳卒中になって麻痺が起きれば「健康寿命を終えた」…といえます。

でも、だからどうした!って感じです。
たしかに脳卒中で麻痺がある。
麻痺で身体が動きにくい。

ただ、身体が動きにくくても、人生を楽しむことって可能です。世の中には、カラダの健康を失いながら、ココロはすこぶる健康っていう人がいますよ。

このあたりは「平均寿命と健康寿命の延びとココロの健康について」に書きました。

 

 


と、いうことで今回の記事は
「フレイルとメタボ、どっちが有害?-健康寿命との関係- 」でした!
コメント、違う視点からの意見、質問など大歓迎です。お気軽にどうぞ。

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