話題本「医者の本音」を読んで、リハビリの人が本音で感想を言おうと思います。

医者の本音 日常

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

今回は読書レビューです。
メディアにもよく面白い記事を書かれていて話題のドクター、中山祐次郎先生の「医者の本音」を読みました。

本音…本音か…

実は個人的なそんなに惹かれなかったこのタイトル。
(どこまで本音で書いてあるかもわからないし…そもそも本音とは!?)

でも、とあるイベントで著者の先生がパネルディスカッションに参加されていて…
この先生が描く本音本なら読んでみたい!!!

そう思い直し購入しました。

結果、、、

買ってよかった、読んでよかった。
です。

 

 

 

医者の本音のさわりの部分

さわりの部分、書こうと思ったんですが…
先生自身で記事を挙げられてます♪

病院でよくある風景
大腸がんの手術、一ヶ月後の患者さんと医者のやりとりです。

患者さん「先生、傷がまだ少し痛むのですが、問題ないのでしょうか?」

医者「ちょっと見せてくださいね」

患者さんは横になり、お腹を出す。医者は手袋をつけ診察する。

医者「あー、傷も感染していませんし、きれいになっていますよ。まだ傷が完全には治っていないので痛みはありますが、良くなっていくでしょう」

患者さん「そうでしょうか。不安なのですが、本当に大丈夫でしょうか?」

医者「はい、大丈夫ですよ!」

こういったやりとりは、私が患者さんとしょっちゅう交わしている会話の一つです。医者をやっていると、患者さんに「大丈夫ですよ!」と言うことは時々あります。

しかしこの医者が放つ「大丈夫」と言う言葉、どこまで信憑性があるのでしょうか。本当に、「大丈夫」なのでしょうか。

このテーマはとても話しづらいお話です。はじめに断っておきますが、ここからはあくまで私の本音です。ですから、他のドクターは別の意味で「大丈夫」という言葉をつかっている可能性はあります。なお、私は大腸がんなどの手術を専門とする、38歳の外科の医者です。

医者が言うと威力があるが…
私を含む医者の多くは、医者の放つ「大丈夫!」という言葉に、どれほどの威力があるかを知っていると思います。私の経験では、この言葉だけで、患者さんの痛みが半分以上減り、夜眠れるようになり、食事量が三割アップしたことがあるほどです。それだけに、「大丈夫!」のようなマジックワードは、使い方が非常に難しいと私は考えています。

そもそも、医学の領域で「大丈夫=ほぼ間違いなく完治する」と科学的に断言できるシーンなどほとんどありません。冒頭のやりとりで、医者は大丈夫と言いました。しかし、それでもまれな可能性を考えると、手術から一ヶ月以上経った後などに傷が感染してくることはあります。さらにはごく稀ですが、手術後たった一ヶ月で傷にがんが転移してそのせいで痛むことだってあるのです。医者がいった「大丈夫です!!」は、100%ではないのです。

そこで、私はどうしているか。

続きは先生の記事からどうぞ。
医者の「大丈夫です!」はどこまであてになる? 医者の本音

 

 

医者の本音の面白かったところ

なぜ医者の態度はいつも冷たいのか。
「患者さんに冷たくしようと思っている医者はほとんどいない」

これはそのままですね。時間との勝負の中で、救うべき命が頭の中にある状態で…
冷たいと捉えられてしまった…
僕の知っている医師も、患者さんに冷たくしようとしている方はゼロです。

 

名医本に騙されないでください

著者さん曰く、名医本に載ってる手術の下手な先生を知っているとのこと。
これ…なんとなくそんな気がしていたものの、やっぱり信頼してはダメなようですね。

ちなみに、「名医」というものの定義も曖昧です。
良い医者とは何か、、、

 

たくさん薬を出しても病院は儲からない

むしろ損するようです。
リハビリをしていて、やたらと薬が多いな…と思う患者さんはたくさんいるのですが、これは「患者さんに必要と考えられるから」。
当たり前ですが、でも増えていくのは辛いかもですね。
薬を減らしたいなら、減らすことが可能か相談してみてください。

 

がんの民間療法はやるなら医者に伝える。
「がん患者3100人のうち1382人(45%)が、一種類以上の補完代替医療を利用している」。そして「平均して月に5万7000円を出費している」

びっくりです。でも…藁にもすがる思いなんだと思います…
がん治療の効果を考えるなら、普通に病院での治療を受けることが第一です。民間療法を必死で探すより、自身のがんの専門医師を探してそこで治療するのが一番だと思います。

他にも

  • 医局の話(医局…これのメリットデメリットなんて初めて知りました)
  • 医師のお給料の実際(大学病院の若手医師ってそんなお給料なの!?)
  • 製薬会社との癒着(あぁそうだよなぁ…)
  • 恋愛(あなたが婚活中ならこの医者を狙え!)
  • 飛行機のドクターコールの話(人を救いたい気持ちと責任の難しさ)

などなど、真面目な内容とぶっちゃけな内容が絡んでいて、面白かったですよ〜

 

医者の本音から考える、リハの本音

違う職種であるものの、リハビリもそうだろうなぁ…と思うところがちょこちょことありました。

タブーとしての死と老い

このテーマ、書くことの難しさと苦しさを感じます。でも、それにちゃんと向き合って書かれていてさすが…でした。

リハビリの現場で「死」というものに本気で向き合う機会はやっぱり少ないです。
その狭間にいる方にはリハビリをすることは少なく、またその場合でもどちらかというと回復に向かう方が対象になっていきます。

リハビリとしての「死」というワードは、おそらく患者さん自身が「早くあの世から迎えが来て欲しい」という言葉を発するときです。

そんなときにどうするかは結構悩みます…

若手の頃は「そんなこと言わずに頑張りましょう」とか言ってた気がします…
患者さんは「そうだよね」と返事をしてくれてた気がしますが…おそらく正しくはなかったと思います。

今は
「そうですか〜。いつぐらいに迎えに来てもらえると思います?」
「早く来てもらえたらいいけど、それまで寝たきりだけは避けましょうね」
「日本人の平均年齢から考えたらあと〇〇年くらいですね。長いと思います?短いと思います?」
「ご友人で何人くらい残られてます?」
「お葬式は饅頭持っていきますね」
とか言いながらリハビリを行なっています。

もちろん相手の声のトーンや顔色をみてですが…
ほとんどの在宅現場での患者さんは「死」を受け入れているので、変にタブー視する必要はなく、むしろそれを受け入れながら会話してあげることでリハビリがスムーズに進むケースが多いです。
(病院は在宅よりも気をつけるべきだと思います)

患者さんとのコミュニケーション

多忙な医者とうまく会話するコツは、「あらかじめ医師に聞きたいことを、箇条書きでメモしておく

コミュニケーションの時間がない問題。でもたしかにメモを使えればそのあたりがだいぶ解決しそうだなと…
(質問内容が一通り把握できるので、どれくらいの時間が必要か計算できるし、一つ一つの質問にかける時間を調整出来る。それに止まらない雑談を防げる)

回復期病院や、整形の手術をバンバンこなす病院なら、かなりの患者さんがリハビリを受けているので…リハがそのメモ書くのもありなんちゃうかなと思ったり。そしてメモ渡しついでに情報収拾をするスタイル。

だってリハビリ、毎回20〜60分の間マンツーマンで患者さんと接するわけです。いわばヒアリング、患者さんの悩みを聞く状況としてはベストタイミングだと思うんです。

そのリハビリスタッフが書いたメモを医師が受け取ったら…なんか良い感じでいけそうですね。
(まぁそもそも医師とリハビリスタッフがフランクに話せるような間柄であれば、もっと楽に情報共有出来るんですが…リハスタッフは、医師と話すときに過度に気を使ってしまう風潮があります)

コミュニケーションのところのリハの本音。
リハビリスタッフ、医師とコミュニケーションを取るときは緊張しまくってます。
特に若手のころ。

実は教育からかなり微妙なんです。指導側のリハスタッフが、医師ときちんと話せていない&話そうとしない。それを見て育つ学生は、当然その傾向になります。

若手のリハビリスタッフに言いたい。
今の時代、良いドクターはリハのことを「もっと知りたい」「患者さんのためにちゃんと情報共有したい」と思っています。(たまにそうじゃない先生もいますが…)しっかり尊敬し、でも言うべきことは言えるようにすることで、医師とのコミュニケーションはもっと取りやすくなっていきますよ。

指導側のリハビリスタッフに言いたい。
もしあなたの病院で、医師とのコミュニケーションが円滑でなかったとしても、学生や若手にそれを刷り込むようなことはしないで欲しい。そこの教育でのイメージは、深層心理の中でずっと続いてしまいます。

他職種連携、しっかりやっていけたら良いですね。

 

 

まとめ

中山先生の本音が全開で書かれていて、非常に興味深く、面白く読めました!!

本音で読んで良かったと思います!!!
「医者は冷たい」と思ってた人は、この本を読めばお医者さんへの目線が変わってくるし、実用的なコミュニケーション手段まで書かれています。かなりためになる本だと思いますよ。

医者の本音
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と、いうことで今回の記事は
「話題本「医者の本音」を読んでリハビリの人が本音で感想を言おうと思います。 」でした!
コメント、違う視点からの意見、質問など大歓迎です。お気軽にどうぞ。

今回の記事を見ていただいた方には
【読書レビュー】社会は変えられる-世界が憧れる日本へ-という本を読みました。」もおすすめです。
こちらは政治の世界から医療のことを変えようと奮闘する江崎さんの本で、「かなり熱い」と思いレビューを書いてます。
ぜひ見てあげてください〜〜