訪問看護事業所からの訪問リハビリのよくない現状

悩んでいる様子 日常

この記事を読むのに必要な時間は約 11 分です。

今の訪問リハビリの現状を調べる機会があり、いろんな管理者の方やケアマネの方にヒアリングを行なってきました。
そして思った…いやいやこのままじゃほんとダメでしょ!
「訪問看護の一環としてのリハビリ」って定義、もう早く変えた方が良い。最近ちょこちょこ言ってますが、このままじゃ日本のリハビリは加速度的に衰退するんじゃないか!?

心から願う、「リハの政治力高まれ!!」

*看護師さんの看護は本当に助かってます。わからないことを教えてもらったり、いつも感謝しています。

 

訪問リハビリの定義

まずはこれ。

理学療法士等による訪問看護は、その訪問が看護業務の一環としてのリハビリテーションを中心としたものである場合、看護職員の代わりに訪問させるという位置づけのものです。

訪問看護事業所における看護職員と理学療法士等のより良い連携のための手引き(https://www.zenhokan.or.jp/wp-content/uploads/%EF%BD%8829-nspt-guide.pdf

そうなんです、訪問リハビリは「看護の一環」らしいです。一部、医療機関からの訪問リハビリはこういった定義ではないのですが、現状ほとんどの訪問リハビリは「看護の一環」とのこと。この弊害は後述します。

とりあえず、リハビリって大事ですよね?

訪問リハビリテーションは質の高い在宅療養を支える重要なサービスの一つである。療法士が生活の場に出向いて生活機能の維持・向上などを図るもので、身体機能向上を目的とする機能訓練の提供という一義的な内容だけでなはない。あくまでも、リハビリテーション医学の理念に基づいており、障害が固定し重度の介護状態であっても、より安楽にまた、充実してその人らしく暮らす工夫、方法を専門的知識・技術・マインドを背景に助言、指導を行っていくものである。

厚生労働省資料(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000114470.pdf

リハビリが重要なことは言うまでもないですね。

ちなみにですが、リハビリテーションは「全人的復権」と翻訳されます。
このあたりについてもっと詳しく知りたい方はウィキペディア先生へ(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%8F%E3%83%93%E3%83%AA%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3

訪問看護事業所管理者のリハビリに対する考え方(経験談)

ここがねぇ…もっと変わって欲しい。

  • 「リハビリは看護の下」と思っている看護師管理者はかなり多い
  • 地域連携が何よりも大事。そこが大事なため、リハビリそのものの教育をちゃんとしている暇がない
  • 良いリハビリを提供するよりも「クレームがないこと」を重視

とかとかが多いですね。

ちなみにbozuの前の職場の看護師管理者さんは「リハビリはマッサージだ!」と言ってそれ以外認めませんでした。筋トレや歩行練習、モビライゼーション(関節を動かすアプローチ)などをするとめちゃくちゃ怒ってきました。もちろんbozuはちゃんとリハビリしてましたが…この事業所は全国20箇所近くあります。

そのマッサージも、流れが決まっていて右足から始まり臀部へ、そのあと腰部へいき肩へ周り…
誰がやっても同じリハビリ質のリハビリをするために全てマニュアル化するとのことだったのですが…

やれと言っているのはマッサージ。リハビリでもない。

訪問看護事業所管理者へのヒアリングの結果

そして、前のブログ(Healthcare venture Knotというビジネスコンテストで最優秀賞がとれました)で書いた件で色々ヒアリングをしたのですが、これも残念でした。

今、訪問看護事業所が事業として安定するために必要なのは上にも挙げましたが「クレームがないこと」です。
もちろん大事です。ものすごく大事です。

でも、そこしか考えていない事業所が多すぎる。利用者さんのためを思った時に必要なのは、「リハビリの質をあげる」ことですよね?クレームがないことは最低限。それ以上のことをちゃんとやろうとしている事業所があまりにも少ない…

「リハビリスタッフの能力に差があると思いますか」→「はい」
「リハビリの質をあげるために何か努力していますか」→「いいえ」
「これから何かしようと考えていますか?」→「…」

的な。

「自社のリハビリの質をあげることで集客に繋がるようなサービスがあれば使いたいと思いますか?」→「…あんまり」

的な。

基本こんなところばっかりです。でも良い考えを持っている会社を3つ見つけました!!!!!

関東になりますが、

ここらへんは僕と共通認識。
「これからの在宅はしっかり良いリハビリをしていかないといけない!!!!」
です。ほんとありがたい。でももっとこういった会社を見つけたい…そしてそういった会社が上手くいくようにしていきたい。
良いスタンスの訪問看護事業所があれば是非教えてください。(ほんとに、切実に) 

訪問リハビリの現状

そもそもの話なのですが、訪問リハビリは病院でのリハビリと比べて質が下がりやすい。

訪問リハビリの質の低下

なので、意識的にリハビリの勉強をしていかないといけないのですが、あまりそこに対してきちんと出来ていない状況です。僕らリハビリスタッフの意識もそうですし、事業所側にもそういった意識が低い。

現状、良いリハビリを行えているケースはそのスタッフ次第。
さらに一言加えると、利用者さん側はその良いリハビリをしているスタッフを知ることはほとんど出来ないし、選ぶことも出来ません。

運が悪いケースだと…
リハビリの依頼が入ったのに

「看護師もリハビリ出来るから、看護師が訪問でリハビリします」

ということもあります。(ケアマネさんから聞きました)

「2〜4年看護を学び、病院で看護をしてきた人のリハビリ」と「3〜4年リハビリを学び、病院でリハビリをしてきた人のリハビリ」どっちが良いですか?ここで看護師さんのリハビリを受けるって…不幸だと思います。リハナースって言葉を売りにして、看護師がリハビリするのを推奨しているところもあります(でも定義は看護の一環としてのリハビリなので問題ゼロみたいですね)

でも、資格が分かれているのはより専門的に学ぶ必要があるから。
それに、リハビリの根本となる解剖学や運動学が大嫌いな看護師さん結構多い。
なぜ看護の下にリハビリがあると考えてしまうのか謎です。

そういえば…訪問看護事業所を開こうとしている看護師さんとこの前会いました。

看護師さん「リハビリを勉強しています」
bozu「え!めっちゃいいじゃないですか!!ぜひどんどん学んでください!!」
看護師さん「だって看護師もリハビリしないといけないからね!」
bozu「…」

いや、看護メインで空き時間にリハビリとかならありがたいですけど…
全然リハビリスタッフとしてリハビリする気満々でした…

他にも、リハビリしか必要のない利用者さんに、看護師の訪問が義務付けられましたが、実際そこで看護師さんがしているのはちょっと雑談とバイタル測定ぐらい。場合によっては少し看護もやりますが..最低.3ヶ月に1回の規定なので、看護師の専門性特に出せていません。もっかい言いますが、リハビリしか必要ありませんから。

これ、介護費の無駄遣い。

ってかそもそも看護師足りない足りないっていつも言ってるんだから、機能分化ちゃんとして欲しいです。
(現場の看護師さんも困ってます。制度を決めた方…次の改定は是非柔軟に対応してください)

リハビリと理学療法、作業療法、言語療法について

この流れ、せっかくなので専門的なことを少し…

実は結構勘違いしているケースが多いのですが、「理学療法」「作業療法」「言語療法」は業務独占です。名称独占ではありません。(厚生労働省資料より

つまり、理学療法士以外が理学療法を行うことは法律違反。看護師さんがリハビリを行うことは広義のリハビリという意味で良いのですが、リハビリではなく理学療法を行う場合、厳密にいくと法律違反になる可能性もあります

理学療法に資格のないものが理学療法を行った場合、診療の補助行為とみなされ保助看法の規定により罰則があります。しかし、作業療法士など他の医療職で診療の補助行為ができる職種が理学療法を行った場合どうなるかという解釈は判例が出ないとわかりませんが、今までに問題になったことはないようです。逆に理学療法士が看護師の業務を行ったらどうなるかということも同じく問題になって判例が出ないとわからないのだと思います。

post:理学療法士の品格

言葉遣いって難しい

どうすればこの現状が変わるのか

なかなか難しい。一つ変わるとかではきっとダメで、いろんなところが変わっていく必要があると思っています。

訪問看護の一環としてのリハビリ。この文言の削除

まずはこの文言の削除ですね。看護とリハビリは別の国家資格。
そこをちゃんとやっていただきたいところです。

訪問リハビリステーションをリハビリ資格者が開けるようにする

次に訪問リハビリステーションをリハビリ資格者が開けるようになること。
理解のある看護師さんならいいですが、現状看護の下扱いをされてやる気をなくすリハビリスタッフは結構います。

訪問看護事業所の考え方が変わること

制度はなかなか変わらない…ならばこの現状だったとしても「リハビリ資格」のことを理解してもらいたいですね。
看護と理学療法、作業療法、言語療法は別の資格。そもそも理学療法士だって作業療法や言語療法をやるのは質が落ちますよ。

リハビリスタッフがきちんと研鑽を積むこと

そもそものところ、やっぱりここ大事ですよね。制度うんぬんに負けず、しっかり自分を保ち研鑽を積む。
大事です。

ケアマネさんの考え方が変わること

ケアマネさん、リハビリのことをちゃんと理解出来ている人とそうでない人に分かれます。今、リハビリの依頼は大手の事業所になげられるのが普通。でも、大手のリハビリはどっちかというとクレームがないようにすることが重要。リハビリの質をあげようとしているところって少ないと感じています(bozuの感覚なのでご容赦を)

社会におけるリハビリに関する知識が増えること

リハビリを受けるのは利用者さん。今まで病院で良いリハビリを受けたけど、在宅では諦めている人って実は結構います。でも、代行などで良いスタッフがいることがわかった場合担当を変えて欲しいと言うケースはたくさんあります。

最初から「質の高いリハビリ」を求めていただければ…そういった事業所が増えていけば…

 

 

などなど、一応色々ありますがとりあえず大事なのは「環境」を作ること。
自主性に任せると言えばまぁそれまでなのですが、人が変わるのは「環境」があってこそ。在宅を良くしていくには、そういった環境作りをしていく必要がありますね。

 

 


と、いうことで今回の記事は
「 訪問看護事業所からの訪問リハビリのよくない現状」でした!
コメント、違う視点からの意見、質問など大歓迎です。お気軽にどうぞ。

今回の記事を見ていただいた方には
訪問リハビリの効果をデータで語る-介護度改善の唯一の方法-」もおすすめです。
ぜひ見てあげてください〜〜