自費リハビリって法律違反?グレーゾーン?

天秤 日常

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今回は自費リハビリのお話です。今、脳梗塞リハビリセンターやAViCなど、少しずつ自費リハビリを行う施設が増えてきました。
また訪問看護事業所からのリハビリで、介護保険の制限がかかった人が自費でリハビリを行うケースは実は結構あります。

ここと法律の関係を整理していきたいと思います。

 

自費リハビリは違法かグレーか白かの結論

まず結論です。これの答えは「違法とは言えない」です。
この自費リハビリという文化が出てきたのはつい最近のことで、それを規制する法律はないといっていいでしょう。

理学療法士法と照らしてグレーだと言う方もいますが、まず当然のことながら医師の指示があれば法律的にクリア。真っ白になります。
(追記:理学療法に関する医師の処方は医療機関内のみ有効なので、保険外サービスで処方をもらっても意味がないとのこと。もらう理由は適切な情報が欲しいからで、法律的な観点は存在しないようです。ご指摘いただけて感謝です。)

次に医師の指示がないパターン。こちらがグレーゾーンに入ります。

このグレーという表現で否定的な反応をする方が多いのですが、先にも挙げましたが、これは「自費リハビリを規制する法律がない」という状態です。

そもそも理学療法士法は昭和40年に出来たもの。何十年前か…今の時代にはマッチしていません。

その中で、黒つまり法律違反になるものは「理学療法士が医師の指示なく理学療法を行う」こと。

言葉の違いで結構変わってきます。きちんと理解しておきたいところで、リハビリテーションという表現は「全人間的復権」と翻訳され、「リハ栄養」「リハビリ体操」「リハビリエクササイズ」など、いろんな表現があり誰でも使えるものになっています。
…全人間的復権ってこれもまたわかりにくいですね。笑

 

国のこれからの方針

自費リハビリという表現は、今のところグレーですが、これから白にも黒にも変わっていくと思います。その中で、行政ではこのように語られています。

我が国では、健康維持、疾病予防、フレイル予防、保険外の個々のニーズに応じたリハビリテーション等に関するサービスの充実が期待され始めている。いたずらに公的保険による医療、介護サービスに頼るのではなく、こうしたサービスの利用を通じ、避けられる疾病やフレイルを遠ざけ、健康を積極的に守り、結果として、公的保険の医療、介護サービスへの需要も少なくなることが理想である。

内閣官房 H28健康・医療戦略室アジア健康構想に向けた基本方針より

「保険外の個々のニーズに応じたリハビリテーション等に関するサービスの充実」って…これが直接「自費リハビリ」と言ってる訳ではありませんが、それも含めているのではないでしょうか!?

また興味深い記事もあります。

知人の厚労官僚は「診療報酬を抑制し続けなければならない昨今、自費リハビリは厚労省にとっても有り難い」と言い切る。今後、リハビリ難民が増えた際の批判を逸らすために、応援しているといっていい。

理学療法士及び作業療法士法では、「医師の指示の下、理学療法を行う」ことが原則だが、「侵襲性のない行為については、医師の指示のもとにない理学療法士等がリハビリを行うことは、法令上は名称独占であるので違法とは言えない(前出の厚労官僚)」と解釈を緩和している。

「リハビリ難民」の救世主となるか 自費リハビリの可能性

こういった社会情勢も考えていくと、自費リハビリは白に近いグレー、今後白に変わっていくグレーだとBOZUは考えています。
(そもそも法律は、何もないところで「想定」で決まるものではありません。何かしらの「事実」があり、それが社会にとって悪だとなれば規制され、善であれば白と規定されます。一部の既得利益をのぞいて。なので、基本的に自費リハの事実がなければ、法律でいきなり白と言われることはありません。…と、知人の弁護士が言ってました)

 

BOZUが実際に厚労省に確認してみました。

いろいろ考え調べた上で、でもやっぱり今の現状は自分で聞いてみないとわかりません。
厚労省に確認してみようと思い問い合わせてみたのですが…

すごいです!見事なたらい回し祭りです!

厚生労働省→地方厚生局→地域の保健所→区の生活衛生課→担当者が保健所に確認→協議の上「制度がない」

的な。つまり、「前述の通り今これを規制する法律はない」ということが示唆された感じですね。ちなみに「地域」なので、念のため神奈川と東京の二つの市・区で確認しました。

ただ反応として東京のある区は「黒ではないけど、行政としては望ましくない」とのこと。
神奈川のある市は「すいません、こちらでは判断できません」とのこと。

東京の方では、上に挙げた「国の指針」としての話を振ってみましたが、「知らない」とのこと。
それにこの担当者、「理学療法士を名乗れるのは医師の指示があった場合のみ」と言っています。予防リハビリという分野では医師の指示が必要とされないのは厚労省から通達があり、こっちはしっかりとした「白」。でもそれも知らなかったわけなので、この担当の方の意見はちょっとなんとも…と思ってしまったbozuです。

人によりけりで反応が変わるのが現状。ただ「制度」というくくりでは「規制されない」と判断して良いかと思います。

 

自費リハビリは安全?

さて、いろんな制度がありますが、そもそも論。医師の指示がない自費リハビリは危険だという話があります。

…ここはなんとも言えませんが、実際に医師の指示が安全に寄与しているかどうか。
急性期のリハビリ、めっちゃ寄与しています。骨折直後やICUなど。ここでのリハビリで医師の指示なしにやるのはありえない。手術方法や骨癒合の状態も知らなけらばなりません。医師の指示なしは怖すぎます。

その他に関しては…在宅で看取りレベルの人を除けば「医師の指示」があったとしても、危険性は変わらないと考えています。

維持期の脳梗塞の人のリハビリで、「麻痺した手を変に動かして余計に痛めてしまう」とかいった話がありますが、医師の指示でそれを防げるかといえばそう思いません。実際のリハビリの指示は「リハビリお願いします」というシンプルなもの部分がほとんどです。

どんな形であれ、結局リハビリするんです。そしてそのやり方はリハビリスタッフ次第。自費だろうが、保険内だろうがリスクは一緒です。加えてもし何かあればそこで医師に連絡するのは自費でも保険内でも一緒。そして基本的に自費で活動するのは腕の良いリハビリスタッフ。リスクはかなり少ないと思います。

整形疾患やその他の疾患に関してリスクを考えると…情報不足はあるかもしれません。人工股関節置換術という手術をした際は、脱臼の危険性があります。自費リハビリをするスタッフがその手術をしたという事実を知らなかったら、これは危険ですね。こういったケースを避けるためにきちんと問診をする必要がありますが、ここは病院と違って自費リハを行なっている方の判断になります(多分ここをちゃんとやってないところはないと思いますが…一応自費リハ受ける方は気にしておいてください)

ここらへんがbozuの肌感ですが、バッドケースも考えてみたいと思います。

腕の悪いリハビリスタッフが自費リハを行う

「腕の悪い」という表現にしましたが、「危険が伴うほど腕が悪い」ってよっぽどですね。少なくとも臨床実習を経て国家資格をとっています。それでも危険なリハビリを行う人がいるかもですが、その人がわざわざ自費というリスクのある分野で活動するのか…腕が悪ければ次第に淘汰されていきますよね。

明らかに状態が悪いのに、自費リハを行う(これは医師の指示が必須の案件。指示をもらいながら保険内でやるべきです)

状態が悪いケースは…現実問題どれほど起きるでしょうか!?bozuならすぐ病院行ってもらいます。だって怖いですし。
ん〜〜〜これもゼロではないかもしれませんが….

 

とりあえず言えるのはこれらの、起きるかわからない「悪」と自費リハの「良」を天秤にのせて、その上で社会にとって良いかどうかを判断するのが大事かと思います。リハビリ難民達が、健康に対して何も行えてない現状です。もしくは集団体操や、民間資格の整体やカイロを「代替案として」通っている状態です。

国家資格をとって病院などで実践を積んできた理学療法士、作業療法士、言語聴覚士のカラダへのアプローチを受けたい人がいるなら、それを受けれる世の中になる方がより良い世の中になると思いますが…どうでしょう?
(ほんとは制度の中で受けれた方が良いと思うんですけどね。)

 

自費リハビリを受ける上で注意しておきたいこと

ここは理学療法士として言いたい。
医療や介護の現場で専門的なリハビリテーションを行なっているのは理学療法士、作業療法士、言語聴覚士だけです。ほかの職種の方々が医療の現場でリハビリを行うことはありません。

ですが、自費リハビリという言葉では規制がないので、ほかの職種の方がリハビリセンターを開いている例も実はボチボチあります。

もう一度言います。医療と介護の現場で制度にのりながらリハビリを行なっているのは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士だけです。ここを知った上で自費リハビリを受ける施設を決めていただけたらなと思います。

*広義のリハビリテーションの場合、CM、看護師、柔道整復師、家族、介護福祉士、ソーシャルワーカーなどなどが行うものも含みます。

 

自費リハビリが受けれる施設

今、自費リハビリといえば「y’s(ワイズ)」さんですね。

脳梗塞リハビリセンターという形でやってらっしゃいます。
関東にたくさん店舗がありますが、新潟や熊本、あとは提携施設とかもあるみたいですね。
https://ys-j.co.jp/

私たちは、高齢化社会において、誰もが自分に最適なリハビリを自由に受けることができる環境を創出することを目指し、医療・介護に次ぐリハビリの「第3の選択肢」となるべく全力で挑戦をし続けます。

とのこと。

 

続いて少し前にできた「AViC THE PHYSIO STUDIO」さんも有名ですね。
東京世田谷区にあります。
https://www.avic-physio.com/

「AViC THE PHYSIO STUDIO」は脳梗塞、脳出血、脊髄損傷、腰痛、五十肩などの後遺症改善を目的としたリハビリサービスです。

 

あとは「バイニーリハビリセンター」もあります。
銀座、横浜、埼玉、札幌、長野、諏訪にあります。
https://www.bini.jp/

バイニ―リハビリセンターでは、脳幹に対する施術により腹圧を調整します。腹圧を整えることで筋膜や関節、筋肉がゆるみ、痛みが改善するのです。また、腹圧はからだの芯になるので、健康寿命が延びて介護予防につながり、脳梗塞後の麻痺も回復します。

「脳梗塞後の麻痺も回復」という表現は若干気になりますが、かなりちゃんとしたアプローチをしてくれますし、勉強会もたくさん開いていて良い感じな印象ありです。

 

その他にもプラスRさんやTACリハさん、ベストリハさんなど色々あり、さらにクリニックに併設したリハビリセンターや、訪問看護事業所からの自費リハというのもありますね。

 


と、いうことで今回の記事は
「自費リハビリって法律違反?グレーゾーン? 」でした!
コメント、違う視点からの意見や批判、質問などなど大歓迎です。お気軽にどうぞ。

今回の記事を見ていただいた方には
「理学療法士」という資格を持った人間が病院の外でも活躍出来る理由」もおすすめです。
ぜひ見てあげてください〜〜