理学療法士の不遇に対する愚痴&高齢化社会の理学療法士の活躍を想像する

考える理学療法士 日常

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理学療法士。この名前を聞いたことある人がだいぶ増えてきたんじゃないでしょうか。
いわゆるリハビリの仕事ですね。
この理学療法士、今の社会に必要不可欠であると同時に、医療業界として地位は低いと感じています。
そんな愚痴を言いながら、でも未来について語ってみたいと思います。

 

理学療法士の不遇

私リハビリBOZU、理学療法士って残念ながらホントに(病院での上層部や政治、法律関係)評価されていないって感じています。

  • 柔道整復師や鍼灸の人は開業出来るのに、理学療法士は開業出来ない
  • 医療制度の改定でものすごく給料が削られた
  • 看護師が訪問看護事業所は簡単に作れるけど、理学療法士が訪問リハビリ事業所を作るためにはかなり高いハードルがある)
  • 勉強して大学院に通ってもお給料は変わらない。というかそもそも日本の理学療法士の給料は海外と比べて低い

そんな愚痴がぱぱぱっと出てきます。w

それにこんなエピソードも…
とある病院の就職見学に行ったときに、リハビリ部門のトップの人から
勉強会は自費で行ってもらいます。自分で学びに行くことでより勉強になるから」と言われました。

たしかに!
と思い、その場では納得していたんですが…

数年後にその病院で働いていた知り合いに聞くと、ドクターやナースにはかなりしっかりと勉強会の補助費が出ていたんです。理学療法士は自費、他の職種は病院の補助が出る…

だいぶびっくりしましたよ。院内の政治力。

かなり勉強になる病院だったので、理学療法士はほっておいても募集が来る。だから勉強会費用に対してあまり無頓着だったと思います。そしてリハビリ科のトップがそこに対して交渉する気もなかったみたいですね。

お金の話になったのでそこをもう少しお話すると…
私たち理学療法士、大学院へ行ってもお給料は上がりません。数百万円使ってスキルを積んだところで、お給料という評価は変わらないわけです。
(もちろんお金を稼ぐために大学院に通うわけではありません。ですが、世の中一般の方々はその面で評価されることって多いですよね。)

ここに医療業界の給与水準の変遷を書いた財務省の出したグラフを載せたいと思いますが…
医療関係職種の給与水準
財政制度分科会(平成29年10月25日開催)資料 社会保障について②

理学療法士、唯一下がってます。
医師も看護師も准看護師も上がっているのに、理学療法士は下がってます…
ちなみに理学療法士の2017年平均年収は約400万円。もう少しもらってもいんじゃないかと思いますが…

お金の話に加えて、資格としてのパワーもすごく気になります。
一時期、医師ではなく看護師がリハビリの指示を出す。みたいな方向に進みかけた時がありました。

これには現場の看護師とリハビリ界で反対との意見が大きく広まったので大丈夫だったのですが…
看護協会の上層部は「リハビリは看護師の下」という認識があるのだと思います。

訪問看護ステーションからのリハビリも、法律的には「看護の一環としてのリハビリで、看護師の代わりにリハビリをする」みたいな感じです。

そんなアホな…

リハビリの勉強をして、リハビリの国家資格を取っているのに、なぜか看護の一環としてのリハビリ…
意味がわかりません。

そもそも理学療法士が行う訪問リハビリステーションは何故認められないのか…
純粋に「リハビリが必要な人にリハビリを行う」ことが規制され、「看護の一環としてのリハビリ」をしなければいけない今の現状がよくわかりません。

柔道整復師や鍼灸の方々は独立開業が出来るものの、理学療法士は独立開業が出来ない。
資格として、勉強量が多いのは圧倒的に理学療法士です(あくまでBOZUの主観です。しっかり勉強している柔道整復師や鍼灸の方も多いです)
これは政治力なのか、なんなのか…

そしてこんなウェブサイトもたくさん見ます。
リハビリについてのページなのに、

心臓リハビリプログラム

こんなことが書いてある、心臓リハビリを行うのは理学療法士です。
このウェブサイトを運営する病院でも、実際は理学療法士がリハビリをしているはずです。
なのにこんな書き方になっている…

他にも、僕の働く会社に医療系の記事を書いて欲しいと依頼が来ることが多々あります。
その時の依頼テーマの中に「腰痛」や「肩こり」が含まれているにも関わらず、執筆依頼は
「医師、栄養士、歯科医師、獣医師、薬剤師、カウンセラー」など
ここのサイトのキャッチコピーの中に、
「医療・健康の専門家が、ユーザーの身体にまつわるお悩みにお答えする総合ヘルスケアメディアです」
と書かれている。理学療法士は含まれないのか…
いや、普通に考えれば間違いなく含めるべきのはずです。
人の身体の専門家ですから。

なんともいえない思いであると同時に、勉強熱心な理学療法士のやる気が削がれていくのが社会的にかなり損失だと思います。理学療法士のできることってたくさんあるんです。

 

理学療法士のリハビリって何するの!?

色々と愚痴を言いましたが、そもそも理学療法士のリハビリってなんなんでしょうか?BOZUはよく、

「簡単に言ったらカラダを動かせるようにする仕事のこと。働く病院とか場所で変わるんだけど、整骨院的なこともするし、入院してるおばあちゃんが寝たきりにならないように歩く練習もする。手術したアスリートの身体を元のように動かすのもリハビリ。カラダを治すのが医者だけど、カラダを動かせるようにするのがリハビリの役割かなぁ」

といった具合に説明します。このリハビリについては、

リハビリって何するの!?意外と知らない健康に超大事なリハビリテーション

に細かくまとめたのでよかったら読んでみてください。

理学療法士がこれからの時代活躍する?

理学療法士の環境に対して、結構愚痴が止まらないんですが…

これからの時代、言い換えたら高齢化社会ですよね。
介護予防やロコモ予防、フレイルなどなどの言葉が話題になりますが、ここの対策がきちんと出来るのは明らかに理学療法士です。
お医者さんがや看護師さん、健康運動指導士さんなどのいろんな資格がありますが、この領域のノウハウを一番持っているのは理学療法士なんです。
今まで、なぜかこのあたりの話ってあまり話題にならなかった…高齢化社会を乗り越えるために、介護職や看護師、医師が注目されることはあっても、理学療法士が注目されることは少なかったんですよね。

家で過ごされている介護が必要な高齢者の方に対して、介護度の改善や身体能力の改善、生活範囲の拡大に効果があったのは、看護や介護ではなく、訪問リハビリテーションです。

参考
[1]瀧口道生ら.訪問リハビリ継続利用2年以上の要介護度認定者における経年的変化:JOURNAL OF CLINICAL REHABILITATION 25(12): 1218-1222, 2016.
[2]栗山 裕司ら.十和村介護保険制度下における各種居宅サービスの効果の検討:
高知リハビリテーション学院紀要 8(): 19-26, 2006.
[3]上岡裕美子ら.訪問リハビリテーションにおける日常生活活動と生活空間の向上に関連する要因の検討 ―茨城県内多施設共同調査より―:
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine 50(10): 831-839, 2013.
[4]水上正樹ら.訪問リハビリ開始から6ヶ月間の効果 -介入時期と疾患別FIM値の動向から-:
みんなの理学療法 24(): 53-55, 2012.

国は、入院期間を短縮して在宅での療養を促していますが、ここに僕ら理学療法士は活躍できるわけです。
この訪問リハビリの効果についてはこちらにまとめました。
訪問リハビリの効果をデータで語る-介護度改善の唯一の方法-

 

そんな理学療法士のやりがい

理学療法士、やりがいの面では圧倒的です。私たちの仕事は、患者さんとのマンツーマンでリハビリをしていく中で、よくなったり悪くなったりするのをいちばん近い距離でみることか出来ます。

一回のリハビリは短くて20分、長くて1時間ほどあるわけで、それだけまとまった時間患者さんと一緒にいる職種は他にはありません。

自分が勉強したことを患者さんに実践し、その場で効果がわかる。そしてその効果が続けば患者さんは良くなっていく。これって凄い嬉しいんです。だから勉強会に通って、勉強する。

もちろん、どんどん身体が悪くなってしまう方のリハビリもあります。その場合でも、身体は悪くなるとしてもココロのケアや痛みの緩和につなげることは出来る。その人にとって必要なことを探し、そしてそれで「ありがとう」と言ってもらえる。

理学療法士は、やりがい溢れる仕事です。

 

理学療法士の起業について考える

ここ最近、理学療法士で起業をする方も増えてきました。

一番スタンダードは訪問看護事業所を開いたり(理学療法士は管理者にはなれませんが、社長にはなれます)、機能特化型のデイサービスを開いたりですね。

あとは勉強しまくって腕を磨いた人は、自費でのリハビリ(厳密には整体)を始める人も多いですね。

こういった起業がスタンダードではあると思うのですが、BOZUが期待したいのはもっといろんな形の起業が増えること。

腰痛予防と改善のバックテックさんはその筆頭を走っていると思います。
大手企業とマッチアップしたり、産業理学療法学会とも連携していて、これからが期待できる会社です。

他にも作業療法士さんになりますが、Rehab for JAPANという会社は「運動」をサービスとして展開されています。

そしてと同時に、理学療法士ではない人の、僕らの業界に近いサービス内容での起業もあります。
センサーを使って運動を行うmoffさんや、歩き方や身体の使い方を改善するジャパンヘルスケア、株式会社DGインキュベーションさんでは、理学療法士の遠隔指導に特化したアプリのRegainというサービスがリリースされています。その他にも「健康」をサービスとしたたくさんの会社が出来ていますね。

さらに企業で働く理学療法士もちょこちょこと増えてきました。
正直に言って、医者や看護師に担えない部分を理学療法士は担うことが出来ます。

  • デスクワークの人の肩こり
  • 荷物の運搬業の腰痛
  • 親の介護予防の相談
  • 日々の身体の使い方、姿勢、歩き方などのアドバイス

こういったものたちや、上に挙げた会社のサービス内容は僕ら理学療法士の専門ですよね。
健康経営を行なっている会社の優良認定で「ホワイト500」なんていうのも出てきましたが、そういった健康に関する先端を行く会社は、「理学療法士」という存在を貴重なものだと認識し始めています。(と、BOZUは感じています)

僕らが学んだスキルが、今社会に必要とされている。そんな風に感じるリハビリBOZUでした。
ちなみに、理学療法士が「理学療法」だけを行なっていると、業界として廃れてしまう。BOZUはそんな危機感も若干持っていたりもします。

 

理学療法士業界を盛り上げる…
静かに闘志を燃やしているBOZUです。
と、いうことで今回の記事は「理学療法士の不遇に対する愚痴&高齢化社会の理学療法士の活躍を想像する」でした。
「リハビリって何するの!?意外と知らない健康に超大事なリハビリテーション」もおすすめなので、ぜひ読んでみてください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。