RICE処置を掘り下げて考える-「圧迫」の再考-

医療

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今回は応急処置についてです。
よく言われるRICE処置というものがありますが、これを少し掘り下げて考えていこうと思います。
捻挫や突き指の受傷シーンに遭遇すると… まず実行すべきなのはRICE処置ですよね?
その中で特に意識して欲しいのは「圧迫」です。

 

 RICE処置とは?

RICE処置とは、何らかの怪我をした時の応急処置の方法の頭文字をとったものです。

  • Rest(安静)
  • Ice(アイス:冷却)
  • Compression(圧迫)
  • Elevation(挙上)

の四つですね。安静は言うまでもないと思いますが、
「冷却」は冷やすこと、「圧迫」は患部を圧迫すること、「挙上」は心臓の位置よりも高いところに患部を挙げることですね。

ちょっと想像してくださいね。
何かの拍子に自分が捻挫してしまいました。結構な痛みが出ています。あなたはどんな順序で応急処置に入りますか?

想像してから以下読み進めてみてください。

 

RICE処置で大事なことは何?

このRICE処置で考慮するべきなのは、いかに腫脹(つまり腫れ)を抑制させるかなのですが…
実はその腫脹を抑制することに関して、最も効果的と言われるのは C:COMPRESSION-圧迫だと言われています。(F-MARC Football Medicine Manual:FIFA医療評価研究センター

みなさんのイメージではRICE処置をすると聞くと、 アイシングがまず浮かぶ人が多いんじゃないでしょうか? そうではなく、圧迫がもっとも腫脹の抑制につながるといわれているんです。

少し想像してもらいたいのですが、切り傷などで出血したとき、まず行うのは傷口付近の圧迫ですよね?捻挫や突き指などでは、目に見えた出血はないものの、毛細血管が破れ内出血して腫れていきます。 出血を止めるのは圧迫です。

切り傷の時に、いきなり冷やすか圧迫するかなら、どちらを選びますか?
まずは圧迫ですよね。

ちなみにその圧迫…バンテージを使ったり、何らかの道具を使うことがあるのですが、 スポーツ現場とかでない限り、そんな道具はほとんど置いてありません。

その場合はシンプルに手を使って下さい。 痛めた場所を、痛めた直後にただひたすらに手で圧迫してあげる。「手当て」という言葉の語源は実はここから来ているんですね。 応急処置はまず手を当てて圧迫!

捻挫のケースを想像してもらいましたよね?
まずは自分で圧迫し、それをしながら状況に応じて「挙上」「アイシング」を行い、可能ならばそれを複合させて実施していくわけです。

アイシングが難しければ、圧迫と挙上だけでもまずは良いんです。

rice処置の圧迫と挙上と安静

ぜひ頭の中に入れておいてもらえたらなと思います。

RICE処置からPRICE処置へ

応急処置の手当の基本はRICE処置と言われてきました。このTICE処置が、スポーツを始め外傷の緊急処置の基本ですよね。
ですが、安静だけでは損傷した組織を保護できないことから、RICEにProtection(保護)を加えたPRICEと呼ばれるようになって来ました。

Protection(保護)は、装具やシーネなどで損傷組織を保護し、再受傷、悪化を防ぐことが目的です。「再受傷」や「悪化」を防ぐ。当たり前ですが、必要不可欠ですよね。

 

さらに、加えますとOptimal Loading(最適な負荷)という概念もあります。これは、早期に最適な負荷をかけることで最適な組織修復を促すことが目的。

例えば肉離れの場合、まずは肉離れを起こした筋肉に「伸長負荷をかけないこと」つまり筋肉が緩んだ状態にすることが大事と言われています。ですが、その状態で完全に固定してしまうと、治癒が遅くなるケースがあるんです。

というのも、肉離れも組織の中で出血を起こしています。筋肉が緩んだ状態で修復されていくので、その後筋肉を伸ばす時にまた細かい損傷が起こってしまうんです。なので、RICE処置を続けながら少しずつ筋肉を伸ばしていくことが肉離れの改善には早道なんです。

ただしこれは専門的な知識がいりますし、リスクもあります。アスリートの場合には非常に大事なのですが、一般の方では無理して行う必要はないですね。わからない方は無理をせず、普通にPRICE処置をするのが良いと思います。

 

と、いうことで今回の記事は
「 RICE処置を掘り下げて考える-「圧迫」の再考-」でした!

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ぜひ見てあげてください〜〜