足の捻挫って何?癖にならないためにはどうする!?

足の捻挫 健康

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

足の捻挫って癖になるって言われますよね?
実際癖になってなかなか不安定感があるケースってたくさんあります。そんな捻挫について、足の解剖から捻挫のメカニズム、再損傷の予防のためのエクササイズまでを書きました。

 

足の捻挫とは?-足の解剖から捻挫の定義まで-

捻挫とは何?

まずこの捻挫を専門的に言うと、

骨と骨を繋ぐ可動部関節周辺部位の損傷、関節を包む関節包や骨と骨を繋ぐ靭帯及び軟部組織(内臓・骨以外の総称)を損傷した状態を指す。

です。まぁちょっと難しいですよね…

要するに…
まぁなんてゆーか…

ひねったりした後の痛いやつ

ですね笑

その痛い原因が、靭帯の損傷を起こしている場合に「捻挫」って言います。

足の解剖

続いて足の解剖についてです。まずは骨です。「足」というものがどんな状態になっているかを知ることで、捻挫のイメージがつきやすくなっていくので、ぼんやりで良いので見てみてください。

足の解剖 足の解剖
図:プロメテウス解剖学アトラス(以下解剖図はプロメテウスより)

 

で、足首の場合の捻挫は「足の外側の靭帯」の損傷が9割以上と言われています。

足の外側靭帯

外側靱帯と呼ばれる靭帯は

  • 前距腓靭帯
  • 踵腓靭帯
  • 後距腓靱帯

の3つです。足の外側の靭帯なので、これらを総称して外側靭帯と呼んでいます。

 

捻挫の受傷起点

なぜ捻挫って起きるのでしょうか?よくあるケースでは、

つまずいたり…
ぶつかったり…
ジャンプの着地だったり…

とかですね。スポーツ現場でよく起こるものの、ふつうに階段で捻挫といったケースもよくあります。先ほど外側の靭帯損傷が9割以上と言いましたが、これは

  1. 外側の靱帯は弱い
  2. 足の動きの問題
  3. 骨の問題

の3つが原因となっています。

1,外側の靱帯は弱い

まず外側の靭帯が弱いということに関して、内側と比べてみます。内側の靭帯は三角靭帯と呼ばれていて、後脛腓靭帯、前脛距部、脛舟部、脛踵部、後脛距部の総称となっています。

足の内側靭帯

 

この靭帯の強度で内側靱帯(三角靱帯)と外側靱帯(前距腓・踵腓・後距腓靱帯)を比べると、内側靭帯の方が強いです。

下の図を見てわかる通り、靱帯の総面積が内側>外側なんですね。
単純に内側は太いから強い、外側は細いから弱いと思ってもらって大丈夫です。

足の内側靭帯と外側靭帯の比較

 

2,足の動きの問題

底屈には内反が加わります。

…専門用語すいません。底屈は足先を下に伸ばすことで、内反は足の裏が内側を向くこと。つまり、足先が下を向いたときは自然に足の裏が内側を向いていくんです。加えて、足の動きの幅も内側を向きやすくなっていて、これらを制動するために外側の靭帯が必要になってくるわけです。

足の内外反

足の靭帯は外側が弱いと書きましたが、足の動きは外側の靭帯に負担がいくようにできてるんですね。

 

3,骨の問題

外反した場合は骨によって運動が止まりやすいです。内反が足の裏を内側に向けることだったので、外反は…足の裏を外側に向けることですね。

この写真を見てちょっとイメージしてみてください。

足の解剖図

内くるぶしのことを内果、外くるぶしのことを外果と呼ぶのですが、外果の位置は内果よりも低くなっています。つまり、外反と比較して、内反(足の裏が内を向く)した場合は骨で運動は止まりにくいということになります。

外反した場合は骨で運動が止まりやすいので靭帯の負荷は減りますが、内反した場合は靭帯がもろに制動をしないといけないので、大きな力が加わると損傷してしまうわけです。

 

余談ですが、骨折について少し…
今の話だと、「靭帯に負担をかける」か「骨に負担をかける」かの違いです。なので、外反の運動が強い負荷で加わると、「骨折」に繋がっていく可能性があるんです。加えてその衝撃で外側靭帯まで損傷することもあるので、大きな怪我に繋がるケースが多くなってしまいます。

足関節骨折

長期的観点から見た捻挫

癖になったケース(再損傷に関して)

1回以上捻挫したことがある人が足関節を捻挫するリスクは、過去に捻挫したことのない足関節の5倍である。また、そのリスクは捻挫したのが最近であるほど高い。足関節捻挫から6~12ヵ月後までの捻挫率は、過去に捻挫したことがない足関節の10倍近く高い。(…ごめんなさい、勉強会で使ったデータからの引用なので、参照元わからずです)

結構な確率で癖になる可能性があるようですね。

なぜ癖になるの?

捻挫が癖になるこの一番の原因は「関節が不安定になってしまったため」です。
では、関節が不安定になることの原因をみていくと、

  1. 靱帯が緩んでいる
  2. 足関節周囲筋の筋力低下
  3. 関節固有感覚の低下

の3つで考えれば良いですね。

1,靱帯が緩んでいる

読んで字のごとし。靭帯が緩んでしまっているので、安定性の低い足になってしまい捻挫が癖になってしまったケースです。

2,足関節周囲筋の筋力低下

主に腓骨筋群(足の小指側を上げる筋肉)の筋力低下です。
ここの筋肉が弱く、働きにくい状態になっていると、捻挫しやすいです。
捻挫のメカニズムは足の裏が内側を向いて地面についてしまうことだったので、この筋肉の働きが悪いと捻挫しやすいつき方になります。

3,足関節固有感覚の低下

ちょっと専門的な言葉が増えてきました…固有感覚って書きましたが、まぁ「ボディイメージ」に近いかなと思います。自分の足に対するボディイメージが悪いので、足首が変な状態になっていても気づきにくくなります。その気づきにく状態なので、ふとした拍子にグキっと捻挫してしまうわけです。

もう少し専門的にいくと、靱帯には固有受容器(ゴルジ腱受容器とパチニ小体、自由神経終末)が存在し、これらが関節の運動方向を検出すると言われています。そしてこういった固有受容器の働きが悪いと、突発的な内反強制に対する腓骨筋の収縮反応時間が健常者よりも遅延すると言われています。

要するに、ちょっとひねった時に健常なら上手く筋肉が働いてカバーするけど、この足関節のボディイメージが崩れていると、その筋肉のカバーが働かないから捻挫してしまう。ということですね。

癖になった捻挫の改善方法は?

ここが大事なポイントですね。
まず、靭帯が緩んでしまったケースはなかなか改善が大変です。緩んだ部分をカバーするために、筋肉を鍛えていく必要があります。次に、筋力低下に対しては筋トレですね。最後に固有感覚の低下に関しては、筋肉の反応を高める練習が大事になってきます。

これらを総合し、癖になった捻挫の改善のための運動を紹介しますね。

捻挫の再損傷予防のためのエクササイズ

1,アキレス腱のストレッチ

アキレス腱のストレッチ

まずはど定番のこれ。シンプルだけど、本当に大事。このアキレス腱の柔軟性をしっかり保っておくのが基本中の基本ですよ。

2,足の外側の筋肉のトレーニング(腓骨筋トレーニング)

捻挫予防のための運動
続いてもシンプルなこれ。まず基本的な筋肉を鍛えておかないといけません。チューブがあればそれを巻いてやると良いですが、もしもなければ抵抗なしでやっても良いです。とにかくたくさんこの筋肉を働かせてあげてください。やり方はシンプルに、足の小指側を上にあげるだけです。

3,ボックスジャンプ

捻挫予防のための運動
左右にゆっくり跳びます。むしろ最初は跳ばなくても良いかもしれません。台の高さを低いところからはじめて、自分の状態に合わせて台の高さを変えたりスピードを変えたりしながら調整して実施して行きましょう。
2.3図 尹成祚:足関節外側靭帯損傷予防トレーニングの実際,日本鋼管病院リハビリテーション科.トレーニング・ジャーナル 35(8): 46-51, 2013.

4,バランスディスクを使ったエクササイズ

捻挫予防のための運動 捻挫予防のための運動
こういった不安定なものの上で、まずは「立つ」ことから始めます。それが安定してきたら、軽くスクワットしてみたり、軽くホップ動作を行うと良いですね。
図 高田彰人:バスケットボール選手における足関節捻挫予防のための動的バランストレーニングの効果.日本臨床スポーツ医学会誌 26(1): 40-46, 2018.

5,ジャンプエクササイズ

捻挫予防のための運動
ジャンプして不安定なものの上に着地する練習です。これは結構リスクがあるので、実践する場合は注意してやりましょう。軽い負荷から始めるのが大事ですよ。

 

結構スポーツマン向けに見える図を引っ張ってきましたが、一般の人でも軽い負荷で実践してみてくださいね。

 

捻挫の豆知識(治療者向け)

最後に、ちょっと治療者向けの情報の紹介です。説明短いので、あくまで豆知識ぐらいの感じで捉えてください。

  • 側方動揺でみられる不安定性は第五中足骨底の不安定性の関与が考えられる。
    →足部外側荷重時に第五中足骨が回外し、足部回外、距骨下関節内反、距腿関節内反が誘発される
  • 長期的に疼痛が残存するケースでは背屈時に疼痛が生じる場合もある。
    このケースで、外果の前方誘導で疼痛減少の場合は脛腓靱帯の損傷が疑われる。この場合は後足部の回外誘導が効果的

不安定性が改善しなければ、第五中足骨に対してアプローチをしてみる。疼痛が改善しなければ、脛腓靭帯の損傷を疑い普通の捻挫のリハビリとアプローチ方法を変えてみると良いかもしれませんね。

 

 


と、いうことで今回の記事は
「足の捻挫って何?癖にならないためにはどうする!? 」でした!
コメント、違う視点からの意見、質問など大歓迎です。お気軽にどうぞ。

今回の記事を見ていただいた方には
捻挫のハイレベルな応急処置。今までの処置よりももっと高みへ。」もおすすめです。捻挫の初期対応についてしっかり書きました。
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