ストレッチ①-ストレッチを始める前に知っておくと得すること-

ストレッチをしている様子 健康

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「身体が硬い」
「ストレッチをやっているのに身体が柔らかくならない」
「ストレッチを効率的にやりたい…」
「身体を柔らかくしてどんな効果があるの?」
「よくモデルさんがストレッチしているのを見るけど、ストレッチで綺麗になれるの?」

などなど、ストレッチに関しては昔からいろんな疑問があふれています。
…今考えてみると、世の中の人のほぼ100%、つまり全世界の人が一回はストレッチをやったことあるんじゃないでしょうか!?なのに、このストレッチをちゃんとわかってる人ってあまりいない気がします。

動物でもストレッチやってたりしますよね!?これはストレッチが必要と本能的に知っているから。このストレッチ効果について、シリーズで書いていきたいと思います。今回は第一弾です!!

 

ストレッチはなぜ必要なの?

現代の日本人の生活は、パソコンを使ったり立ちっぱなしで接客をしたり、家事などで長時間同じ姿勢をすることが多くなっています。そんな状態で生活していくことで、日々知らず知らずのうちに疲れが溜まっていき、筋肉が硬くなってしまうわけです。

そういったなんともいえない鬱憤の溜まる生活。それを回避するためにストレッチはとても有効な手段になります。その健康維持の手段であるストレッチですが、効果としてまず怪我や障害の予防がありますね。

ストレッチと怪我予防

身体を柔らかくしておけば、怪我の予防に繋がることは言うまでもないかもしれませんね。そして、実はその予防だけでなく、怪我を負った後の経過においても身体が柔らかい方が有利です。

病院での勤務時代、理学療法士としてかなりの頻度で治療に関節可動域運動、つまりストレッチを取り入れてきました。その中で、もともと身体が柔らかい人と硬い人を比べると、同じような怪我を負ったとしても身体が柔らかい人の方が回復しやすかったんです。

ストレッチで身体を柔らかく保っておくことで、若い人の場合なら怪我をしたとしても早期の職場復帰につなげることが出来ますし、高齢の方であれば、早く良くなることで他の合併症の予防や、動かなくなることでの体力の低下を抑えることができるようになります。

循環改善とコリの関係

ストレッチの効果は、怪我の予防の他には身体の循環改善です。ストレッチは、硬く縮んでしまった筋肉を伸ばしていくことで柔らかくなっていきます。そうすることで、血流を促すポンプのような作用を取り戻していくことが出来るんです。

ふくらはぎは第二の心臓だ…という言葉を聞いたことが あるかもしれませんが、これはその筋肉のポンプ作用で脚の血流を良くするところから来ているんですね。

筋肉と循環

図:今回の記事のイラストは昔BOZUがデザイナーさんに書いてもらったものです。

 

この循環改善ですが、もう少し具体的に言うと循環改善からの肩コリ改善や、先ほど挙げた怪我をした際の治癒能力の向上につながります。

肩こりで悩まされる人は本当にたくさんいますが…そのコリそのものはどういったものか知っていますか?
いろんな意見がありますが、一説によると筋肉の間に脂肪が変性して固まってしまうとコリになるみたいです。女性が目の敵にしている脂肪…それが肩こりも起こしてくる。なかなか厄介者です。

その変性ですが、一度起きるとなかなか治りにくい上に、長期化すると更に治りにくくなってしまいます。出来るだけ予防していきたいですね。たまに肩コリ歴何十年という猛者も見ますが、それだけ長期化しているので当然かなり治りにくくなってしまっています。対策は出来るだけ早く行いましょう。

伸ばす、緩める事で得られる嬉しいストレッチの効果

むくみを取って疲れ知らずの身体作り

ストレッチの効果で循環の改善と言いましたが、女性に嬉しいむくみの改善も得られます。スキニーパンツを綺麗に履きこなせるようになれば楽しい気分で遊びに行けますね。このむくみ改善は股関節のストレッチによって、内股に通っている血管の通り道が拡大し、血流アップに繋がるために起こります。

そして、カラダが柔らかいというのは筋肉が伸びやすいということです。カラダの余分な水分やむくみは、筋肉の伸び縮みによっ ても外に排出されるわけですね。リンパの流れも改善していくので、日頃むくみに悩まされている方であればストレッチ直後に脚の周計マイナス1~2cmなんてのはわりと簡単にできます。足が軽くなるのでスイスイ歩けるようになって一石二鳥ですよ。

ストレッチによる循環改善、これによって疲れ知らずの身体作りが出来るわけです。

ストレッチでスキルアップ!今までと一味違う自分へ

続いてスポーツのパフォーマンス向上についてです。どんなスポーツ選手でもストレッチをやらない選手はまずいません。ストレッチが本当に大切なことが伝わってきますね。

スポーツのパフォーマンスとストレッチの関係、例えばゴルフのスイング。身体を捻る柔軟性が大事で、その可動範囲を上げることでドライバーの飛距離がぐいーっと伸びていきます。パターをする上では手首の柔らかさが大事ですよね。野球では肩甲骨がしっかり動くことでより速くボールを投げられるようになりますし、マラソンでは股関節を柔らかくすることで身体を動かす効率が上がるので疲れにくくなります。そうやって身体を動かす効率が上がれば、山登りする方はより軽く登れるようになるのでもう1つレベルの高い次の山へチャレンジ出来たりします。

よく準備運動としてストレッチをしたりしますが、それでその日の身体の調子をはかることも出来ます

「あれ?今日は身体が硬いぞ…ウォーミングアップをしっかりやっておこう」
「お?今日の身体は調子良さそうだな。少しいつもよりペースを上げてみようか」

などなど、その日の調子を知ることで後々のパフォーマンスに好影響を与えることが出来るわけです。少し前に、「ゆっくりと身体を伸ばしていくスタティックストレッチ」はパフォーマンスを下げるからウォーミングアップに取り入れるのはよくない。といった意見がありましたが、これは間違いです。安心してストレッチを取り入れてくださいね。

ストレッチで筋力アップ!?

あとは意外と知られていませんが、何もしない状態に比べると筋力の維持や向上にも効果があったりします。ベッドの上で寝たきりに近い状態の患者さんを診ていた時、身体が硬くならないように関節可動域練習をするのですが、体力がなくて他の動作練習や筋力トレーニングがあまり出来ない。そんなことがよくありました。

他に何か出来ることはないか…そんな風に考えていたのですが、このストレッチが筋力の維持に繋がるという実験データを見たときは、驚きでした。

そしてこれは健康な若い人にも当てはまるようです。最初私がこの話を聞いたとき、もともと運動量が多めの若い人では、それだけその筋力維持を行うために運動が必要になってくるので、ストレッチだけではあまり筋力維持は出来ないと考えました。が、その後見つけた研究では大学生を対象に同様の実験をしていて、そしてそれは効果ありと言えるほどしっかり筋力アップにつながっていたのです。このストレッチでは筋肥大、つまり筋肉が大きくなるとは考えにくいですが、ストレッチだけでもちょっとした筋力の維持・向上に繋がる。そう知っておいてもらえたらいいですね。

ストレッチのための解剖学を知る

意外と知られていない重要なもの、関節包

ストレッチで重要な解剖学のポイントに、「関節包」という組織があります。 骨と骨が靭帯や腱などでくっついているのが関節になりますが、そのくっついている連結部分全体を、袋みたいなものが包んでいます。この袋のようなものが関節包になります。関節包からはぬるぬるした液体が出ていて、関節の摩擦を軽減することも出来ます。

身体が硬くなる原因No. 1は筋肉ですが、その次に大きな影響を与えるのがこの関節包という組織になります。

関節包

関節を包むので関節包。シンプルです。 この関節包は関節全体を覆うので、前側が硬くなったり後ろ側が硬くなったり、全体が硬くなったり…。いろんなパターンで硬くなります。ちなみにこの関節包のストレッチは時間がかかります。
これが関節の硬さの原因になっているときは、少なくとも2~3分はゆったりとストレッチをする必要があります。

お肌はストレッチにも大事です。

そしてもう一つストレッチの解剖学ポイントは皮膚。とりあえずまずは結論ありきで覚えて下さい。身体の表面を走るお肌の硬さは、関節の硬さに結構大きな影響を与えてしまうのです。

イメージの助けに、1つ例を出します。みなさんウインナーを想像して下さい。普通に曲げようとしたらある程度抵抗がありますよね?ではではその表面のパリッとしたところ、一部でいいので破いてみましょう。そしたらその破けたところから一気にウインナーを曲げるのが簡単になります。もし表面のパリパリが一切なかったらどうでしょうか?きっとふにゃふにゃウインナーさん。簡単に曲げれそうですね(まぁ…ちぎれるかもですが笑)。

ウインナーを曲げてる様子

この表面にあるパリパリが、身体でいう皮膚になります。このウインナーと一緒で、表面(お肌)が突っ張っていると身体はなかなか曲がりにくくなってしまうんですね。これは臨床経験の中でかなりよく見られまし た。そう、皮膚のストレッチをしてあげると全体の柔軟性が上がるんです。  つまりはお肌のコンディションを整えるだけでも身体の柔軟性を変えていくことが出来るわけなんです。

身体が硬くなる原因

身体の何が硬くなる?

次は身体の硬くなる原因についてです。先ほどの解剖学でやった組織たち、つまり関節包と皮膚。それに加えて筋肉が身体を硬くする原因になります。他に靭帯なども一応は原因としてありますが、影響が低めなので今回はパスさせていただきますね。

動物の実験ではありますが、関節の動きを制限するのは筋肉が40%、関節包が30%、皮膚は10%で残りは他の組織になっていました。(身体の部位によってこの割合が変わります)

関節の硬さの原因

ですので筋肉に対するストレッチだけをやっていては40%しか伸ばせていないということになります。もちろん実際にストレッチをして筋肉だけしか伸びない、っていうのはありえないので、厳密にいけば40%よりもっと伸ばせています。

歳を重ねれば身体は硬くなる!?

身体を硬くする原因。組織についてはわかっていただけたかと思いますが、加齢も身体が硬くなる原因です。みなさん数年前、数十年前の自身の身体を思い出してください。日頃から何かストレッチをしている方を除いてほぼほぼみなさん身体は硬くなっているんじゃないでしょうか?

身体が硬くなるっていうのは、身体の組織が伸びやすい状態から伸びない状態に変わることです。歳を重ねると、身体のコラーゲン(身体の元になるたんぱく質)の変性で、筋肉が伸びにくい状態になってしまうんです。ですがこのコラーゲンの変性、日々のストレッチをすることで防ぐことができると言われています。やっぱりストレッチ、大切ですね。

また歳を重ねていくと、身体の水分量は大きく減っていきます。身体の水分量が減れば、当然またそこからも循環の悪化に繋がってしまいます。そもそもこの加齢による水分量の低下。原因にはヒトの身体の3つの変化があります。

  • 筋肉量の減少。水分を蓄える筋肉が減ることで、体内の水分量が減る。
  • 腎臓の機能低下。腎臓は水分調節に重要な機能を持っているのですが、この機能が落ちるとおしっこの量が増えていくことになる。(身体から水分が出ていく)
  • 身体の感覚が鈍くなる。それによってのどの渇きも感じにくくなってしまうので、水分が必要でも気づかないことになる。

こういった理由で、高齢になると身体の水分量が減ってしまうわけなんです。

循環が悪くなると身体は硬くなる

身体の循環が悪くても身体は硬くなりやすいです。水分が足りてないと、それだけ循環は悪くなりますが…加えて、身体の組織に血が巡らなければ、筋肉は働きにくくなります。筋肉が働きにくくなると、当然関節の動きも悪くなります。関節の動きが悪いまま生活をしていくと、それがそのまま柔軟性の悪化に繋がっていくわけですね。

それに循環の悪化はむくみにつながりやすく、むくんだ身体はコラーゲン(身体の元になるたんぱく質)が変性を起こして硬くなりやすいです。コラーゲンの変性が柔軟性の低下に繋がってしまうことは先ほど書かせて頂きましたね。 筋肉が働きにくくなるから疲れやすく、むくみからパンパンになって、なおかつ柔軟性も悪化する…。

もう踏んだり蹴ったりですね。

何よりもやっかいなのは動かないこと。

身体を硬くする原因で一番やっかいなのが、動かないこと。これは関節を動かさない状態で長期間経過すれば、当然身体は硬くなります。

骨折などでギプス固定をするとどうしてもその固定された関節が動かなくなってしまいます。それを防ぐためにはギプス内で筋肉の収縮を繰り返したり、ギプスから出ている固定されていない箇所をしっかりストレッチすることなのですが…それでもやっぱり動きが悪くなってしまうんです。

高齢者の場合、運動量が減ってしまう方が多いので、気をつけて全身運動を行っていきたいですね。身体を動かしておけば、骨折などの怪我は別として関節が硬くなっていくことを防ぐことが出来、ある程度の循環も保たれます

 

と、いうことで今回の記事は
「ストレッチシリーズ①-ストレッチを始める前に知っておくと得すること- 」でした!

ストレッチシリーズの続きも更新中。ぜひ見てあげてください〜〜

ストレッチ シリーズ
①ストレッチを始める前に知っておくと得すること
②効率の良い伸長時間と黄金ルール4!
③基本手技と裏技手技
④実践!体幹と肩関節のおすすめ10
⑤実践!股・膝・足・手関節のおすすめ14
⑥ストレッチに関する論文をひたすら集めてみた
⑦柔らかくなった身体を維持する