VRで出来るリハビリを徹底的に妄想してみた

VRゴーグルをつけている男性 日常

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

リハビリとVRの関係。
これからすごく期待されている分野です。

ただ、具体的にどんなリハビリが可能なのかはふわっとしていて微妙な状態かもしれません。

なので今回は、どんな応用が可能なのか今まで研究されているものや、今後使えそうだなと思うものを、考え尽く限り書いていきたいと思います。
(あくまで可能性で、実現にはハードルがあると思います)

 

 

脳卒中のVRリハビリ

半側空間無視

これは以前書いたので、こちらを参考にしてもらえたらと思います。
脳卒中の障害改善にVR!「半側空間無視」を改善させる最新リハビリ技術

早稲田の研究グループが、患者さんに実践してみて結構効果が出たみたいですよ!

麻痺に対して

ここはちょっと難しいところ。

上肢の麻痺に対して、他の治療方法と比べて効果に差はなかった
Iris Brunner.Virtual Reality Training for Upper Extremity in Subacute Stroke (VIRTUES)A multicenter RCT.December 12, 2017; 89 (24) ARTICLE

と言われています。ただ患者さんのモチベーションアップには有効とされています。
ただ、2017年時点のVRで有効でなかったとしても、2018年のVRでは有効な可能性もあると思います。
それに加えて、VRを使うことそのものが重要なのではなくて、それをどう活かしてリハビリプログラムを組むことが大事。これからもっと研究が進めば、効果的なプログラムが出てくる可能性は十分にあると思っています。

 

脳性麻痺と筋失調の既往のある人の、肩関節脱臼の痛み

だいぶ限局されたケースですが、劇的に痛みが小さくなった症例がありました。VRをつけて、動かない腕を動かしているイメージを見たわけなのですが…

数回の治療でキャロルの痛みは驚くべきほど小さくなった。私は彼女と電話で話したが、治療の成果にこれ以上ないほど校風していた。「セッションのたびに(腕を)どんどん動かせるようになるんです。上にも、下にも、横にも!

VRは脳をどう変えるか?仮想現実の心理学

とのこと。これを考えれば、やっぱり脳卒中の麻痺に対してもアプローチできそうな気がします。難しいのかなぁ…

 

切断のVRリハビリ(幻肢痛)

みなさん幻肢痛って聞いたことはありますか?交通事故などで足を切断せざるを得なかった人に起こるもので、足がないにも関わらず、足が痛いと感じる症状のことです。
足がないのに足が痛い…

不思議ですが、かなりよく起きる症状なんです。
(細かい原因は省きますが、大雑把にいくと頭の中のエラー。足がなくなったことを脳が理解出来ず、でも実際にはなくなってるので混乱している状態で、その混乱が痛みとなってあらわれている感じです)
これの治療手段として、ミラーセラピーと呼ばれるものがありました。

ミラーセラピーとは、問題のある手足の反対側の健康な手足を鏡に映し、あたかも問題の手足のように患者さんに見せます。こうやって健康な手足の幻を作り出し、そしてその幻の手足を動かす練習をします。この練習で頭の中の混乱をしずめていくことが出来ます。

これに変わるものとして期待されるのがVR!仮想空間の中に足を作り、それを動かしながら頭の中の混乱を改善させていくわけです。

 

火傷のVRリハビリ

火傷のリハビリって聞いたことありますか?
火傷になると、表面の組織が損傷してしまうので、皮膚移植や頻回な処置が必要になります。
そうなったとき、当然火傷をしたところの関節も硬くなってしまいます。しかし、ただでさえ焼けるような痛みのある身体です。リハビリで関節を伸ばそうとすると激痛が走るんですね。
この痛みは、鎮痛剤を使っても激痛のようです。現在の最適な手段は、気を逸らすこと…ぐらいしか出来ないようです。

この気を逸らすという面に関して、VRが大きな効果を発揮するようです。

実験の結果、被験者の子供達がVR世界にいるときに感じた痛みは、対象条件と比べて27〜44%の範囲で減少したことがわかった。しかも、彼らはVRの方がより楽しかったと報告した

VRは脳をどう変えるか?仮想現実の心理学

痛みが減らせるなら、本当にありがたいですね。

 

子供のVRリハビリ

先ほどの火傷のリハビリも、子供を対象に実験していました。

そんな子供のリハビリを行う上で大切なことは、注意を引くこと、面白く楽しくやることです。
普通はおもちゃを使いながら、遊びを通してリハビリを行なっていくのですが…VRゲームで身体を動かすことが出来ればすごく良さそうです。

それと…脳性麻痺になってしまった子ども、ダウン症になってしまった子ども、そのほかの疾患でも、まず必要なことは「移動の獲得」です。
移動することで見える景色が変わる。この環境の変化を面白いと感じ取り、それでずり這い、四つ這いや歩行を行なっていくわけです。これらが脳の発達に必要不可欠なのですが…

障がいをおった子どもにとって、その移動する楽しさと動くハードルが天秤にかけられているんだと感じています。動くハードルをすぐに減らすことは難しいですが、動くことで見える世界の変化はVRで作れるのじゃあないでしょうか?

これを動く意欲の増大に繋げて、発達を促していく…そんなことが出来ればと思います。

 

認知症のVRリハビリ

VRを使用して得れる効果の一つに、自己効力感を高めることが出来るとありました。
これは認知症に応用可能な気がします。

認知症の原因はいろんな意見があるのですが、そのうち有力な候補の一つとして「社会から孤立して一人になってしまった感覚」があると言われています。

VRは圧倒的な没入感で現実と誤認する効果があります。仮想空間にコミュニティを作ったり、そこの世界で人との繋がりすることは結構認知症予防になるかもしれませんね。

それに家族とのコミュニケーションをVRで行うこともありですね。

 

在宅リハビリの効率化

在宅リハビリには、運動、ストレッチ、環境調整、呼吸リハビリなどなど、いろんなやらなければいけないことがあります。

その中で、「運動」が必要な人にVRでリハビリを行うことはどうでしょうか?
現実の理学療法士が指導したものを3D録画しても良いでしょうし、その利用者さんの身近な人に先生役をやってもらって運動するのもありですね。

あとは…いわゆるアバターを使うのも面白そうです。

  • 歴史の偉人が運動指導
  • 萌えキャラが運動指導
  • スーパー男前が運動指導
  • セクシーなおねぇさんが運動指導

センサーを利用者さんにつけてもらって、サボって見るだけ状態ならアバターに「怒られる」とかも面白い!

 

モチベーションアップのためのVRリハビリ(ゲーム)

トレッドミルで歩行

普通に歩行練習を行っても、面白くないと思う患者さんは結構います。
そこでゲーム要素を加えて歩行練習です。歩きながら楽しめるといいですね。

ただ、転倒の心配もあるので…
ここはARやMRの方が現実的な気がします。

この動くという面で、転倒リスクを減らしながらゲーム要素を高めるなら全方向性トレッドミル(のような形)を使って、椅子に座りながらやれるといいかもしれません。

倒れる心配のない回転椅子に座り、ツルツル滑る床面とスリッパを使って行うイメージです。
(前フェイスブックにゲーム用として流れてきてたのですが…完全に名前忘れてしまいました…)

こういったものを使って、秘境の探検のような形にしても良いですし、世界各国の観光地や海の中のダイビング、空中散歩なんてのもおしゃれですね♪

 

細かい目標設定をしたVRリハビリ

現実のリハビリでは『手を挙げて』としか指示できなかったことも、仮想空間では『上に光っている点を触って』とか「よーいスタートで前に光っている点を触って。急がないとすぐ消えちゃいますよ」とか指示出来るんです。
もちろんそれは点でもいいし、物でもいいし、なんでもいいです。その人のモチベーションが上がるものを設定できれば最高ですね。

エロいおじいちゃんなら…

あれですよね…

うん…ごめんなさい、まぁ想像にお任せします。

 

 


VRの可能性については、この本がオススメです。度々引用させていただきましたが、読んでいて非常に面白い本でした。
フェイスブックのザッカーバーグさんは、この著者さんの元を訪ねてVRについて教えを請うた後、オキュラスを買収したようです。

VRは脳をどう変えるか

アマゾン:VRは脳をどう変えるか?仮想現実の心理学

NFL(アメフト)での圧倒的な効果の事例、リハビリの例、医者の解剖実技に使える話、ゲームについてのプラス面に加えて、VRの危険性についても見事に捉えています。これを読めば今のVRの現状について、かなり詳しく知ることが出来ますよ。

 

と、いうことで今回の記事は
「 VRで出来るリハビリを徹底的に妄想してみた」でした!
コメント、違う視点からの意見、質問など大歓迎です。お気軽にどうぞ。

今回の記事を見ていただいた方には
脳卒中の障害改善にVR!「半側空間無視」を改善させる最新リハビリ技術」もおすすめです。
ぜひ見てあげてください〜〜